閉店は妻へのプレゼント 昭和の喫茶店“最後の日” 体調すぐれず…妻「体を休めて、いてくれるだけでいい」 19歳で店に立ち、苦渋の決断 45年の歴史に幕
■閉店は妻への誕生日プレゼント
昭和の香りを残す店。久保田さんは以前、「最低でも50年は続けたい」と話していました。 しかし、3年前に患った肺炎の影響で体調が思わしくなく、苦渋の決断をしました。最後の日を「8月24日」にしたのには訳があります。 久保田さん(8月13日): 「妻が8月25日が誕生日なんですよ。今まで何一つプレゼントしたことがなくて、『最後に私が望むプレゼントがほしい』と。『お店をやめて、ゆっくり体のことを考えて休んでほしい』と言われて。体的にはきついけど、エプロンをしてカウンターに立つと、みんなからやっぱり力もらえるんで、やっぱりこの仕事が天職だったんだと思う。それが分かって、幸せなんだよね」 久保田さん: 「いってらっしゃい」
7年通った客: 「(あるのが)当たり前すぎて、まだ実感がなくて。通りかかって閉まってたら『閉まっちゃったんだな』って思うかも」 10年以上通った男性: 「ご苦労さまですけど、寂しい。ぽっかりと穴があいた状態になると思う。“珈香ロス”です」
10年来の常連: 「彼の人柄だよね。優しいし、気配りも。彼の人間性にほれてみんな来ているんだと思う」 久保田さん: 「ありがとうございました」 10年来の常連: 「気を付けてやれよ。早く治せよ」 久保田さん: 「いってらっしゃい」
店を手伝う男性。父親をサポートしようと駆けつけた息子の天地さん(32)です。 息子・天地さん: 「『継がないのか』とよく言われるんですけど、マスターあっての『珈香』なので、自分が継いだってなると全く違う店になってしまうので、きれいなまま終わらせたいなと。体はボロボロかもしれませんけど、笑顔のうちに店を閉められたのが幸せだなと」
■常連客「寂しいね、お疲れさま」
夫婦で訪れた客: 「お疲れさまです」 久保田さん: 「ありがとう」 市内から訪れた横山さん夫婦。この3年、土曜はほぼ必ず「珈香」でモーニングを楽しんできました。 最後のモーニングにー。