【特集】5浪してようやく叶えた“獣医”という夢 しかし待っていたのは「好き」だけでは通用しない“命の現場”「飼い主が任せてくれているありがたみと責任をもっと考えるべき」悪戦苦闘しながら奮闘するアラサー新人獣医師に密着
新人獣医師・荒木留さん(29)が飛び込んだのは、動物医療の最前線『大阪動物医療センター』。一日に約130件もの診察をし、他の病院では治療が難しいと診断されたペットたちもやって来ます。子どもの頃からとにかく動物が好きだったという荒木さんですが、そこは「好き」だけでは通用しない“命の現場”で…。 【動画で見る】どうなる緊急手術…命と向き合う新人獣医師 “いい獣医師”目指し、悪戦苦闘の日々に密着 (大阪動物医療センター・巽正輝院長) 「自分の処置一つで、死んでしまう可能性があるから。飼い主さんが任せてくれているというありがたみと責任を、もっと考えるべき」 目の当たりにしたのは、ペットと飼い主の悲痛な叫び―。悪戦苦闘しながら命に向き合う、新人獣医師の成長を追いました。
初めての診察は「えーっと…うーん…」からの無言…新人獣医師たちに院長が求めたのは、「“賢い獣医師”ではなく“良い獣医師”」
2024年、春。大阪市西区にある『大阪動物医療センター』に、大学を卒業したばかりの新人獣医師が入りました。 (WOLVES HAND動物病院グループ・北井正志代表) 「うちの病院はすごく忙しくて、他の病院では『どう治せばいいかわからない』『手術をするべきだけどできない』など、そういった諸事情で重症度の高い症例が集まってきます」
(巽院長) 「先輩たちは自分たちの行く先を進んで行ってくれていることですし、僕はその先頭を常に走り続けることを誓いますので、みんな頑張ってついてきてください。一緒にやっていきましょう」 新人獣医師を勇気づける巽正輝院長(42)は、獣医師歴18年。動物病院をけん引するエキスパートです。治療が難しく、他の病院から紹介されて連れて来られるペットを診ることも多いといいます。
1歳の犬『那月(なつき)』は、3週間ほど前から右の後ろ脚をかばい、三本脚で歩くようになりました。 (那月の飼い主) 「脚を浮かせて歩くようになって。右脚が跳ねるような感じの歩き方をしていたので」
(巽院長) 「左はこうやっても痛がらないんですけれど、右はこれだけで…」 右の後ろ脚を少し引っ張られるだけで、鳴き声をあげる那月。レントゲン検査でわかったのは、那月の今後の日常を左右する“ある病気”でした。
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