ジルサンダー・マルジェラ・マルニの全製品にブロックチェーン活用のデジタル証明書、24/25AWから
OTBグループがデジタル証明書
「メゾン マルジェラ(Maison Margiela)」、「マルニ(MARNI)」、「ジル サンダー(JIL SANDER)」の全商品に、ブロックチェーン活用のデジタル証明書が、24/25年秋冬コレクションから付与される。同3ブランドを傘下に持つイタリアOTBグループが6月6日発表した。 デジタル証明書に利用されるブロックチェーンは、LVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)が主導するブロックチェーンコンソーシアム「Aura(オーラ)」提供の「オーラ・ブロックチェーン・プラットフォーム(AURA blockchain platform)」。同プラットフォームによって消費者は材料の原産地から販売時点、中古市場に至るまでの製品の情報をスマートフォンから追跡出来るようになっており、その商品が正規品であることが確認できる。 なおマイクロソフト(Microsoft)、コンセンシス(ConsenSys)の協力のもと開発された同プラットフォームには、エンタープライズ向けブロックチェーン基盤「Quorum(クオーラム)」が採用されている。 今回の取り組みでは、同ブランド全ての衣服とアクセサリーにNFCチップが添付され、対象製品の情報をブロックチェーンに登録することを、生産工程に導入したとのこと。これにより今後販売される年間150万点以上の製品に、ブランドの真正性を証明する「デジタル証明書」が付与されることになるとのこと。 マルニのCEOであるステファノ・ロッソ(Stefano Rosso)氏は、「これは、OTBのイノベーション・プロセスにおける重要な進歩です。なぜなら、私たちのラグジュアリー・ブランドの顧客に対して、より高い透明性、新しいインタラクションの方法、そしてますます注目される経験を保証することを可能にするからです。またブロックチェーン技術を本格的に採用し、当社の生産プロセスに統合することで、将来の法律がもたらすあらゆる課題と機会に迅速に対応できるようにもなります」とコメントしている。 OTBグループは2021年10月に「Aura」へ参加。その後2022年には「オーラ・ブロックチェーン・プラットフォーム」上にNFCチップを添付した約120万点の製品を登録していた。 なお「Aura」にはプラダやリシュモングループのカルティエも参加している。
大津賀新也(幻冬舎 あたらしい経済)