智弁和歌山 圧巻2者連発も初戦敗退 花田は木製&高桑は低反発バットで一発 延長タイブレークで涙
「全国高校野球選手権・2回戦、霞ケ浦5-4智弁和歌山」(13日、甲子園球場) 一瞬で聖地が興奮のるつぼと化した。高らかな金属音と乾いた木製音が響いた圧巻の2者連発。初戦敗退となったものの、智弁和歌山打線が場内のファンを魅了した。 【写真】智弁和歌山ナインが慟哭 控え室で泣き叫ぶ選手、立ち上がれない選手 中谷監督「僕に問題がある」 3点を追う八回2死一塁。高桑京士郎外野手(3年)が低反発バットで左翼への2ランを放った。「ベンチに帰って気づいたら(花田が)打っていました」。続く花田悠月内野手(3年)が木製バットで初球直球を捉え、同点ソロを左翼スタンドに弾丸ライナーで突き刺した。「打った瞬間ではなかったですけど飛んでくれたなと」。今春センバツで新基準バットが導入されて以降、初となる木製バットでの本塁打となった。 昨秋から木のバットを握り始めた花田。素材はメープルを使い、バットの“声”が聞こえるようになるまで愛情を注いだ。「木も呼吸をしている」とケースに乾燥剤を入れるなどして厳重管理。木製バットで甲子園にアーチをかけることを目標にしていた中、“相棒”が夢をかなえてくれた。 ただ、チームは2021年夏Vから甲子園出場3大会連続で白星なし。延長十一回タイブレークの末に敗れ、中谷仁監督(45)は「僕に問題がある」と責任を背負った。 ◆木製バットでの本塁打 金属バット採用前の73年春に広島商で元広島・達川が記録。金属バットが解禁された74年夏には銚子商で元巨人の篠塚が木製バットで2本塁打を記録している。