遥か彼方でリモート手術? ロボットアームが国際宇宙ステーションへ
今年の1月末、小さな医療ロボットアームが国際宇宙ステーション(ISS)へと向かいました。アームはNASAのミッション「Northrop Grumman 20th Commercial Resupply」の積荷の1つとして、SpaceXのファルコン9ロケットで無事打ち上げ完了。 医療ロボットアームMIRA(Miniaturized In-vivo Robotic Assistant)は、リモート手術を可能にするロボットです。
2021年初手術の医療ロボ
MIRAを開発しているのは、医療系スタートアップのVirtual Incision社(Virtual Incision社は、2022年にNASA研究費を獲得しています)。 ロボは2本の腕をもち、手術ツールを持つことができます。現段階では、アームをロボ自らが動かすことはできず、人間によるリアルタイムの操作が必要になります。が、将来的には自動化も視野にあり。 手術デビューは2021年。患者の手術箇所1箇所を執刀、結腸右半切除手術のアシスタントを務めています。 そして今、地球軌道を飛ぶISSへ。いつの日か、宇宙にいる人を手術するときに備えて飛び立ちました。
宇宙で手術をする日のために
「NASA協力のもと、国際宇宙ステーションという最も遠い場所でもMIRAによる手術が可能かどうかをテストすることができます」と語るVirtual Incision社のJohn Murphy CEO。 ISSでのMIRAの手術は、電子レンジほどの大きさのボックス内で行なわれます。切開されるのは、ISSに滞在する宇宙飛行士…ではなくて人間の皮膚に見立てた輪ゴムの束ですって。 今回の実験は、月や火星に人類が長期滞在し、手術が必要になった場合を想定するきっかけになります。
そうこ