「石破総理」と「高市総理」では大違いだった? 新総裁で「住宅ローン」はどうなる
利上げに否定的だった高市氏
その上で塩澤氏は、今後の利上げの見通しをこのように予想する。 「年内12月か、年明け1月に0.5%に。2025年夏頃に0.75%に。そして年末か2026年の1月に1.0%程度まで利上げが進み、その辺りがターミナルレート(最終到達点)になる、というのが現時点での予想です」 ただ、利上げペースは誰が新総裁に選ばれるかで、大きく変化した可能性もあったそう。 「特に、“アベノミクスの継承者”を自認する高市さんは、今の経済状況での追加利上げには懐疑的でした。今後の利上げも、さらなる規制緩和による経済政策の効果を十分に見極めてから実施した可能性が高く、1%への到達は1年以上後ろ倒しになっていたかも知れません」(同) 一方、住宅ローンには“逆風”になると見られていたのが「小泉総裁」だった。
小泉総裁なら金利上昇は必至だった?
「小泉さんが掲げていたのが『解雇規制の緩和』。一定の条件下で企業が従業員を解雇することを認めるという政策です。この政策が実現すれば“賃上げ”と“失業率の上昇”が起こる可能性が予想されました」(塩澤氏) 今の日本社会は、企業が従業員を解雇するのに高いハードルを設けており、雇用のセーフティネットを民間に任せている状況。そのため、企業は終身雇用を前提に給与を設定する必要があり、「好条件で人材を確保し、ダメだったら解雇する」というドラスティックな人事戦略を取ることができなかった。 そのため解雇規制の緩和は賃上げには追い風になる。それは賃金上昇を起点とした物価上昇をより促すことになり、日銀利上げにつながりうる。一方で失業率は上昇することに。 「景気後退時は失業率が上がりやすくなるでしょう。失業率が上がると、住宅ローンの延滞率も上がることが予想されます。すると銀行は貸し倒れが一定数発生しても利益を確保できる金利水準にしておく必要があり、今のような超低金利な住宅ローンは持続が難しくなる可能性があります」(同)