クールな遊び心。90年代ゲームのパッケージデザインを振り返る
Prince of Persia(1989年 Broderbund)
冒頭でも紹介した『Prince of Persia』です。 Yeo氏とWong氏のデザインスタジオの名を世界に知らしめた記念碑的なパッケージデザインといえます。再リリースの1992年に使われたパッケージです。 台形が組み合わさった構造と針の上を飛び越える主人公のグラフィックが印象的なこのパッケージを制作した後、多くのパブリッシャーがYeo氏に同様のパッケージのデザインを依頼しに来たといいます。 『Prince of Persia』はウェブブラウザでプレイができます。
Prince of Persia 2: The Shadow and the Flame(1993年 Broderbund)
1作目の成功によって、続編となる『Prince of Persia 2: The Shadow and the Flame』のデザインにも当然Yeo氏が抜擢されました。 こちらは前作のパッケージ構造を上下逆さにしたようなもので、主人公のシルエットと燃えさかる炎のグラフィックが印象的です。ゲーム自体も1作目から改善され、当時大きく評価されたといいます。 『Prince of Persia 2』はこちらからプレイ可能です。
Supreme Warrior(1995年 Digital Pictures)
上記のDouble Switchと同様に実写映像を用いたインタラクティブフィルムで、一人称視点の格闘ゲームの『Supreme Warrior』。 こちらはプラスティックの透明な箱の中に、逆さの三角形が入ったような構造で、性質の違う2つの箱によりセミ3D的なコンセプトのデザインになりました。 『Supreme Warrior』はウェブブラウザでプレイができます。
Iron Helix(1993年 Spectrum Holobyte)
ロボット探査機を操作して不気味な宇宙船を探索するホーラーゲーム『Iron Helix』。 パッケージはそれ自体がゲームコンソールのようになっていて、さらに外側の箱を外すとデバイスの内部がむき出しになるようなデザインになっています。 『Iron Helix』はウェブブラウザでプレイが可能です。
Havoc(1995年 Reality Bytes)
終末的世界をモチーフとした一人称シューティングゲーム『Havoc』。 今回紹介したなかで一番衝撃的で、時代を先取りしすぎたともいえるようなデザインです。まず、このパッケージは卵の箱として使われる素材でできていて、さらにそれらはリサイクル素材とのこと。ユニークな触感と確かな立体感を持ったデザイン、さらに真ん中に窓が置かれることで焼却炉のようにも思えます。この燃えるように映る画像はこれ自体が紙のCDスリーブになっていたそうです。 『Havoc』はMac版がこちらからダウンロードできます。
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