「生きるのに意味なんかいらんねん」M-1創設者がバッテリィズに泣きそうになった理由
そして、「いつまでもM–1が夢の入り口でありますように」という島田紳助さんのことばが流れる。厳しさの根底にこれがある。 スポンサー4社はいずれも若者ウケするメジャー企業だ。全然スポンサーが見つからず、ようやくオートバックスさんに付いていただいてなんとか開催にこぎつけた1年目を思い出す。 いよいよファーストステージが始まる。トップに選ばれたのはなんと昨年優勝の令和ロマン! しかも2年連続。運命的というか神様のいたずらというか本当に嘘みたいな結果だ。
前年優勝者でトップ出番は苦戦が予想されたが、なんともすばらしい漫才だった。子どもの名前をワタナベにする、保護者会で漫才したいだろう、には笑った。 堂々たる横綱漫才、圧巻だった。これはこのまま優勝まで行くぞと思った。で、結果は850点という高得点。 ■令和ロマンと1点差になった真空ジェシカ そして次に選ばれたのが昨年2位のヤーレンズ。いい漫才ではあったがもうひとつはじけなかった。 3番目に選ばれたのは真空ジェシカ。これがまた笑った。商店街の振興策。片寄った政党のポスターが多い、少年ジャンプの掲載順、トングを使わないふたり、には笑った。そこかしこに笑いが散りばめられている。得点は令和ロマンと1点差の849点で2位。
このあと、マユリカ、ダイタクといい漫才が続いたが得点は伸びず。6番目がジョックロック。 病院ネタで風刺がいっぱい。「やっぱりちょっと(マイナ)カードつくるのこわいなあ」、「マミーは毎月60ギガも使わないー」には笑ったがいまいち得点が伸びなかった。ぼくはかなり好きな漫才だ。 いずれも先の2組に及ばず、優勝はこのどちらかで決まりだろうと思っていたら、出た! 7組目にすごいのが出てきた。バッテリィズだ! 笑いました。理屈じゃなかと。システムもテクニックも関係ない、これが漫才だ!!
おもろいやつが勝ちというM–1の精神を体現したような漫才。笑い飯を初めて見たときを思い出した。爆発力だけの、昔ながらのアホ漫才。おれたちが一番おもろい! 「生きるのに意味なんかいらんねん」 横で嫁が泣いている。おもしろすぎて泣いているのじゃない、感動して泣いているのだ。その気持ちはぼくもわかった。ぼくもなんか悲しくなってきて泣きそうになった。 文句なしの1位だと思った。審査員も861点と最高点。