調査に選ばれると「約87%」の確率で〈追徴課税〉に…相続税申告、“税理士に依頼しても”税務調査の対象となってしまう根本的な理由【税理士が解説】
「書面添付制度」を活用すると税務調査率は下がるが…
では、なぜ私たちが行う相続税申告は税務調査率1%で済んでいるのでしょうか。その理由は、全てのお客様に「書面添付制度」を活用しているからです。 書面添付制度とは、税理士が「カルテ」のような書類を作成し、相続税申告書に添付して提出する制度です。調査官と同じ目線を持った相続専門税理士が、相続税申告書を作成する上で問題となりそうな部分を事前に納税者からヒアリングをして、書面に記録し添付します。 この書類があることで、調査官からすれば「この申告は私たちが確認したい部分を既に調べてくれているな。わざわざ調査に入る必要はなさそうだ」と読みとってくれますので、それだけ調査に選ばれる確率が下がるのです。 書面添付制度は、このようないい効果があるにもかかわらず、活用している税理士は全体の22%しかいません。なぜ少ないかというと、この書類に嘘の記載があると税理士が懲戒処分されるという決まりになっているからです。相続税に慣れていて、自信をもって作成できる税理士でないと、書面添付制度を使うことはできないのです。 大田 貴広 税理士
大田 貴広
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