また交代?1年で4人目の英語教員 教員の不足・働き過ぎ問題が子どもにしわ寄せ
子どもに「自己責任」感じさせるな
関東地方の市立中学3年の女子生徒は、いじめをきっかけに不登校や遅刻気味になった。成績が悪くなったのは「学校に行かなかった自分のせい」だと思っていた。 もし、教員がいじめをうまく解消できたり、クラスを替えたりするなどきめ細かい対応をし、女子生徒が通常学級に通えていたら――と思わずにいられない。 子どもは不満を抱えても、簡単には声を上げられない。だから、教員の不足や長時間勤務による子どもへの弊害は見えにくいのではないか。 公立校教員が「特殊」だとされるのは、良い授業をするために教材研究や自己研鑽を重ね、子どものためと思えば勤務時間も関係なく相談に乗るような職業意識があるからだ。そうした役割を期待し続けるなら、自主性や裁量が発揮される労働環境が必要になる。 しかし、現状はそうではないまま、残業代なしの「タダ働き」が教員に求められてしまっている。 公立学校への不信感が高まると、私立中学受験や塾通いが可能な子と、そうでない子との格差を生みかねない。新型コロナウイルス禍では、オンライン対応の遅い公立を避けて、私立の中学受験を選ぶ保護者らの動きがあった。 さまざまな困難を抱える子が増え、教育現場には課題が山積する。子どもが「自己責任」だと感じる学校にしてはいけないと思う。
※この記事は、毎日新聞とYahoo!ニュースによる共同連携企画です。