また交代?1年で4人目の英語教員 教員の不足・働き過ぎ問題が子どもにしわ寄せ
「私立に行くしかない」と女子中学生
関東地方に住む市立中学3年の女子生徒(15)は、公立高校ではなく私立高校への進学を希望している。いじめ対応や進学指導について、公立に心細さを感じていることがその理由の一つだ。私立学校でも学校によっては教員不足の問題があるが、公立のような深刻さはない。 中1のときにもらった通知表には、5段階評価で最低の「1」と「2」が並び、同学年200人弱で下から3番目という順位だった。 小学生の頃は多くの科目が3段階で一番良い「◎」だったから、もともと勉強が苦手なわけではない。 つまずいた理由は、はっきりしている。 中学に入学して間もなく、「不細工」「死ね」などと容姿や存在そのものを否定するいじめを受け、不登校になった。加害者側の女子生徒と好きなアイドルが一緒だったことが、かんに障ったらしい。 親が被害を訴えると、担任は加害生徒を呼んで注意し、「もうやらない」という反省が伝えられた。学校に通えるようになったものの、クラスに戻るのは心が苦しく、別室登校になった。
「先生は忙しそうだから…」
それなのに今、校内では自分の苦痛は「終わったこと」になっていると感じる。別室登校が続いているのに、学校側が対応している形跡がないからだ。 思い当たる節はある。 学校では、心身の健康を生徒がタブレット端末で毎日記録するアプリを導入している。教員が生徒の異変にすぐ気づけるようにするためだ。 その日の気分を4段階の「天気」から選ぶ。気分が最も悪い「雷」、次いで悪い「雨」が多いと「教育委員会から電話が来る」と教員は神経質になる。「『雷』と答えないで」という教員の軽口を聞いたことも。だから、この女子生徒は「仕事を増やさないように」と、気分が最も良い「晴」をいつも選ぶ。 先生たちは部活動や授業準備でいつも忙しそうで、疲れている。個別相談がしたければ「アポ」を取ることが必要で、最近は高校入試の志望動機を相談したかったが「まず書いてきて」と言われてしまった。