画餅の「物価上昇を超える賃上げ」を唱える岸田政権の無責任
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「政府に賃上げしろと言われて困り果てています」――。 中部地方の自動車部品関連の下請け会社の会長はそう言って顔をしかめた。円安で輸入原材料が大幅に値上がりしているのに加え、電気代の急上昇で利益確保もままならない。ところが、岸田文雄首相が経済界に対して繰り返し「賃上げ」を要求、大手企業を中心にそれに応じる姿勢が報じられるにつれ、従業員の賃上げ期待は高まっている。 「コスト吸収すらできないのに、賃上げするのは難しい。納入先の大手メーカーが価格引き上げに応じてくれても、コスト上昇分がせいぜいで、賃上げ分の価格転嫁なんてできるはずはない」。これが多くの中小企業の現場の声だ。
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磯山友幸