中ロ首脳が北京で会談、米国の「封じ込め」への対抗強化で結束
(ブルームバーグ): 中国の習近平国家主席は16日、ロシアのプーチン大統領と北京で2時間にわたり会談し、両国に対する米国の「封じ込め」に対抗して協力を強化すると表明した。対立する陣営の間で核の緊張が高まっているとも警告した。
習氏とプーチン氏は会談後の共同宣言で、米国が世界各地にミサイルシステムの配備を計画していると非難し、「ロシアと中国の安全保障にとって直接的な脅威となる」と指摘。米国の「破壊的で敵対的な路線」に対抗し、軍事面を含む協調を強化することに合意した。
両首脳はまた、核大国間の緊張悪化による「戦略的リスクの高まり」に言及し、米国が「決定的な軍事的優位」を得ようと核戦略のバランスを崩そうとしていると主張した。
プーチン氏は通算5期目入り後初の外遊先として中国を選び、ウクライナ侵攻を巡り米国とその同盟国から前例のない制裁を科される中で習氏との関係を重視していることを際立たせた。
両首脳は「核大国間の直接的な軍事対立を避けることが最優先課題」だと述べる一方で、中ロの国境近くまで軍事同盟を拡大させ、「相互の重要な利益を侵害する」核保有国がいると指摘。欧州での北大西洋条約機構(NATO)拡大や、中国に対抗してアジア太平洋地域で米国主導の安全保障パートナーシップ構築が進んでいることを非難した。
中国国営の中央テレビ(CCTV)は首脳会談後、習氏が「良き隣人、友人、そして相互信頼のパートナーとしてロシアと協力する用意がある」と述べたと報じた。中国は「両国民の友好を何世代にもわたって強固なものにしていく」用意があるとも習氏は話したという。
ロシア大統領府のソーシャルメディアに投稿された動画によると、プーチン氏はロシアと中国の協力関係を「国際舞台における主要な安定要因の一つ」と表現し、「われわれは共に、正義の原則と、多極化の現実を反映した民主的な世界秩序、そして国際法に基づく世界秩序を支持する」と語った。