ライプツィヒの巧みな若手育成&売却術 クラブが重要視しているものとは「常にハングリー精神ある選手を求めている」
若手のステップアップとブンデスリーガ上位争いを両立する手腕
今夏にはMFダニ・オルモをバルセロナに売却したライプツィヒ。クラブで成長した若手実力者を高値で売却するのはライプツィヒが得意とする1つのモデルであり、近年もDFヨシュコ・グヴァルディオル(マンチェスター・シティ)、イブラヒマ・コナテ(リヴァプール)、ダヨ・ウパメカノ(バイエルン)、MFドミニク・ショボスライ(リヴァプール)など、多くの選手がライプツィヒから羽ばたいた。 それに合わせて次なる若手実力者を獲得し、常にブンデスリーガ上位を争ってきたことも見逃せない。今夏はFWシャビ・シモンズ、ベンヤミン・シェシュコといった若手有望株の残留にも成功し、ダニ・オルモを手放したにも関わらずブンデスリーガ制覇を狙うだけの力があるとも言われる。 ライプツィヒのディレクターを務めるマルセル・シェーファーは、若手がステップアップする場として理想的なクラブだと自画自賛する。若手のステップアップしたいとの意志を尊重することも大事にしているそうで、『ハングリー精神』を重要視していると語る。 「時には選手の考えを考慮する必要もある。レアル・マドリードやバルセロナといったクラブに向かうチャンスがある選手を強引に残留させたり、移籍を妨害したりといったことをした場合、その選手は来季も同じマインドだろうか?同じ活躍をしてくれるだろうか?選手が移籍を希望し、経済面も問題ない場合はオファーを考慮するつもりだ。我々は常にハングリー精神ある選手を求めているからだ」 続けてシェーファー氏は、ライプツィヒには若手が育つ最高の環境があると語っている。 「ライプツィヒ、ザルツブルクほど優秀な人材を輩出してきたクラブもないだろう。若い選手を育てたいならば、何より重要なのはインフラの整備だ。我々にはそれがある。ピッチ、トレーニング施設、これらが高い水準にある。2番目に重要なのは、優秀なコーチ陣だ。今はマルコ・ローズという非常に優秀な監督がいる」(『BBC』より)。 ライプツィヒは今のスタイルを継続していくことだろう。今夏にはノルウェー期待のFWアントニオ・ヌサ(19)、ドイツ2部のシャルケからMFアサン・ウエドラオゴ(18)といった若手有望株を加えている。彼らもライプツィヒからのさらなるステップアップを考えているはずで、このあたりのライプツィヒの戦略は見事と言うしかない。
構成/ザ・ワールド編集部