【Cycle*2024 パリ~ルーベ:レビュー】レインボージャージを素敵に見せたいファンデルプールが特別な瞬間を楽しんだ地獄の日曜日
フランスでは自転車を使ったレースが始まった頃から、この農業カレンダーを参考にして伝統大会のスケジュールが決められた。パリ~ルーベは原則的に4月の第2日曜日。ただし4月14日ではちょっと遅いから、例外的に7日の場合があってよし。今回の2024年もその例外が適用された。 パリ~ルーベ運営がツール・ド・フランス主催者のA.S.O.になってもその慣例は継続する。2020年はコロナ禍により秋に延期され、それでも感染拡大が収まらず、1896年に始まった伝統レースは二度の世界大戦時以来となる中止に。2021年も4月開催から延期を余儀なくされたが、10月に順延して待ちに待った開催にこぎつけた。2022年は4月10日にフランス大統領選挙(第1投票)が行われたため、しかたなく1週間遅れの17日開催となった。
フランス庶民の生活と密接に関わり続けるパリ~ルーベ。第121回大会は172選手が11時26分にコンピエーニュをスタートし、フランスの北にあるベルギー国境に近いルーベのアンドレ・ペトリュー自転車競技場までの259.7kmを走る。後半に断続的に待ち構えるのは29カ所の石畳セクターだ。2022年優勝者のディラン・ファンバーレ(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク)は不出走だった。 レースはゼロkm地点からアタックがかかり、22km地点で最初の逃げグループが誕生した。後続のメイン集団では37km地点で落車が発生。このクラッシュでリドル・トレックのジョナサン・ミランとイネオス・グレナディアーズのエリア・ヴィヴィアーニがリタイアを余儀なくされた。最終的に4位になるUAEチームエミレーツのニルス・ポリッツも影響を受けた。
「ミランがいれば状況は大きく変わっていただろうと確信している。彼がクラッシュしたのは我々にとって非常に残念」と、レース後にピーダスンはコメントしている。 ファンデルプールを擁するアルペシン・ドゥクーニンクは追い風も味方につけて、レース開始から最初の1時間を時速54.1kmでペースメークし、逃げた選手とのタイム差を管理した。リドル・トレックも協力し、その差は76キロ地点での最大の1分40秒に留めた。29からのカウントダウンで始まる石畳セクターに突入する時点でその差は1分25秒。アルペシン・ドゥクーニンクのテンポは安定していた。
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