《しいたけは傘を下にして冷蔵庫へ》秋の味覚・かぼちゃときのこをよりおいしく!野菜ソムリエプロが教える保存のコツ
秋に旬を迎えるかぼちゃときのこ類。野菜ソムリエプロの福島玲子さんは、「適切に保存することで、おいしくいただける期間が延びます」と話す。福島さんに、それぞれの冷蔵・冷凍保存のポイントと、栄養価や甘みが増す保存の仕方を教えてもらった。 【写真】かぼちゃは畑でどう実っている知っている?それがわかる写真
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かぼちゃの保存、丸ごとなら追熟させるのが◎
かぼちゃは丸ごと1個買って保存すると、追熟が進んで甘みや栄養価が増します。一方で、カットすると傷みやすくなるので、それぞれに適した方法で保存するとよいです。 ◆丸ごとかぼちゃは追熟させると甘みが増す かぼちゃを丸ごと保存するときは、風通しのよい涼しい冷暗所がベストです。2か月程度もちます。 ちなみに、かぼちゃは収穫後2~4週間追熟する事で、でんぷんが糖に変わり甘みが増すと言われています。栽培中、太陽に当たらず薄い黄色くなった箇所が濃いオレンジに変わるのが完熟のサインです。ぜひ覚えておいてください。 ◆カットかぼちゃは冷凍で保存期間をのばす カットしたかぼちゃはワタの部分から傷み始めるので、スプーンなどでワタと種をしっかり取り除いてから冷蔵保存しましょう。キッチンペーパーなどで水分を拭き取り、乾燥を防ぐためにぴったりとラップで包んでから野菜室へ。こうして保存すれば、1週間程度もちます。 カットかぼちゃをすぐに使えないときは、冷凍すれば1か月ほど保存できます。冷蔵と同様にワタと種を取りのぞき、使いやすい大きさにカットしてから保存袋に入れて冷凍庫へ。煮物に使うならば面取り(切った野菜の角を薄くそぎ取ること)をしてから冷凍すると、そのまま鍋に入れて調理できるので便利です。 また、冷凍するときはマッシュにしてもよいです。加熱してマッシャーなどでなめらかになるまでつぶします。冷ましてから、1回分ずつ小分けにしてラップの上に広げて包みましょう。保存袋に入れて冷凍しておけば、ポタージュやソースに活用できます。
きのこ類の保存 冷凍すれば栄養吸収率アップ
きのこ類は基本的に保存期間が短いですが、冷凍すれば保存期間が延びるうえに、冷凍によって細胞が壊れると、うまみ成分を作り出す酵素がすぐに働きだして、グアニル酸、グルタミン酸、アスパラギン酸などのアミノ酸が生きのこの約3倍に増えてうまみも栄養価も増します。買ってすぐに食べてもおいしいですが、安いときなどに多めに購入し、冷凍保存するのもおすすめです。 ◆しいたけの保存は傘を下にするのがポイント しいたけは基本的に足がはやいので、購入してから2~3日以内に食べきるのがベスト。冷蔵庫に入れるときは、新聞紙やキッチンペーパーで包んでからポリ袋に入れて保存しましょう。傘の内側にある胞子が落ちると風味が損なわれるので、保存するときは傘が下にくるように置くのがポイントです。 すぐに使いきれないときは、2~3週間ほど保存期間がのびる冷凍保存を。石づきをとり、使いやすい大きさにカットしてから、保存袋に入れてください。丸ごとでも冷凍保存できますが、使い勝手を考えると、カットしてからがおすすめです。水分に弱いので洗わずに、目立つ汚れがあるときは、キッチンペーパーで拭いて取りのぞくとよいです。使うときは凍ったまま加熱してOKです。 ◆まいたけ&しめじはキッチンペーパーで包んで保存 まいたけやしめじは、未開封ならパックのまま野菜室へ。開封した場合はキッチンペーパーで包んでからポリ袋に入れて保存しましょう。包んだキッチンペーパーが余計な水分を吸い取り、傷みにくくなりますが、3日前後が冷蔵保存できる期間の目安です。 冷凍する際は石づきをカットしてからバラバラに分けて、冷凍保存用の袋に入れましょう。こちらも2~3週間ほどで食べきってください。 ◆教えてくれたのは:野菜ソムリエプロ・福島玲子さん ふくしま・れいこ。野菜ソムリエプロのほか、アスリートフードマイスター2級、ジュニア食育マイスター、食の検定1級、ベジフルカッティングスペシャリスト、エコクッキングナビゲーターなど多数の資格を持ち、日本野菜ソムリエ協会創立 20 周年記念事業『野菜ソムリエ名鑑 vol.1』に掲載されている。現在は、“野菜や果物から健康に”との考えを大切に講演・セミナー講師、イベント・セミナー運営サポート、コラム、料理教室、レシピ開発や監修・ジュニアアスリートの栄養指導・など、多岐にわたって活動中。 構成/イワイユウ