「再生エネルギー100%」実現性は? 本気で目指す企業と世界的な取り組み
2つ目は、再エネ発電を専門に行っている事業者と直接契約を結んで調達する方法です。この契約は電力購入契約(PPA/Power Purchase Agreement)と呼ばれているものです。Googleは、各地のデータセンターを動かすのに必要な電力を再エネでまかなうために、データセンターがつながっている同じ電力系統に、風力発電による電力を供給している発電事業者と電力購入契約を結んでいます。 Googleは発電事業者を選ぶ際に重視したのは、契約することによって、新たに再エネ電源が増えることだと言っています。具体的には、新しい発電プロジェクトから得られる電気全部を20年間購入するという長期契約を結んだのだそうです。これによって発電事業者は、収支計画を確かなものにでき、プロジェクトを立ち上げるために必要な投資も受けやすくなるのです。つまり、再エネ発電事業全体の拡大につながることが重要視されているのです。 3つ目は、電気の小売り事業者が調達する再エネ電力を、小売り事業者を通じて購入するものです。アメリカの電力会社は、自分が扱っている電力系統につながっている様々な再エネ発電事業者から電力を購入し、それらをまとめて、再エネによってつくられたものだという付加価値のついた電力商品(グリーン・タリフ/Green tariff)として販売しています。 この方法では、実際にどこで再エネ発電が行われているのか、消費者自身が発電事業者と契約を結ぶPPAに比べると見えにくくなってはいますが、消費者と再エネ発電施設とは同じ電力系統内の電線で確実につながっています。したがって、グリーン・タリフを選ぶ企業や家庭が増えれば、その電力系統内の再エネ比率は確実に高まっていきます。 日本では2016年4月から、家庭向けの電力市場も完全自由化したことで、各家庭が電力小売り事業者と電力商品を選ぶことができるようになりました。新しい小売り事業者(新電力)のいくつかは、買い取った再エネ由来の電気(FIT電気)を中心に電力商品を提供しています。