人気YouTuber精神科医と依存症専門医が明かす「心の病と依存症の“回復への近道”」
アルコール依存症患者数は、推計で約109万人とされている。また、ギャンブル依存症が疑われる人は、約300万人を超えるとも。さらには、ネット依存やホストへの依存など現代社会ならではの依存も。身の回りに依存しやすいものが、確実に増えている──。 益田 とても危機感を感じています。ビジネス的な戦略を含め、依存させるような仕組みが増えています。個人で対抗するには限界があると思っていて、国や行政のサポートが必要になってくるでしょうし、僕らを含めた専門医やメディアも警鐘を鳴らしていかないといけない。 山下 依存することは決して悪いことではありませんが、いい依存と悪い依存があります。仕事に一生懸命になる。これだって仕事に依存している状態ですよね。ただし、自分の幸福度が上がらないような依存は改めなければいけない。 対人関係が崩れ、社会から見放されるような依存は幸せにつながらない。いい依存と悪い依存を伝えていくことも大事だと思います。そして、たとえ精神の病気になったとしても、動画や書籍から専門知識を学ぶことで、必ず回復に向かえることも伝えていきたいですね。 対談してくれたのは…… 山下悠毅(やました・ゆうき)●ライフサポートクリニック院長。精神保健指定医、精神科専門医、指導医。日本外来精神医療学会理事。「お薬だけに頼らない精神科医療」をモットーに、専門医による集団カウンセリングや極真空手を用いた運動療法などを実施している。大学時代より始めた極真空手では全日本選手権に7回出場。2007年に開催された北米選手権では日本代表として出場し優勝。 益田裕介(ますだ・ゆうすけ)●早稲田メンタルクリニック院長。精神保健指定医、精神科専門医、指導医。YouTubeチャンネル「精神科医がこころの病気を解説するCh」を運営し、登録者数63万人を超える。患者同士がオンライン上で会話や相談ができるオンライン自助会を主催・運営するほか、精神科領域のユーチューバーを集めた勉強会なども行う。