医師が薦める「二日酔い回復飯」で連日の会食に備える
コロナの間は静かだった夜の街も、ずいぶん賑わうようになってきた。飲み過ぎ食べ過ぎで体調を崩すあの年末の「儀式」も復活の兆しを見せている。しばらくぶりの忘年会で失敗しないよう、今年は医師の助言のもとに、科学的な目線で、悪酔い、二日酔いに対処しよう。 大正製薬が二日酔いの経験がある489人を対象に行った調査によると、それぞれに悪酔い対策を講じているのがわかる。しかし、お風呂で体を温める、空気を吸う回数を増やして代謝を助ける、頭を高くして寝るなど、真偽が怪しい行動に依存している人もいるようだ。そこで頼りになるのが、済生会横浜市東部病院患者支援センター長を務める栄養学のスペシャリスト谷口英喜先生の助言だ。 まずは二日酔いのメカニズムからおさらいしておこう。アルコールは肝臓でアセトアルデヒドという有機化合物に分解される。これが二日酔いの原因物質だ。毒性があり、吐き気や頭痛を引き起こす。アルコールの分解には大量の水と電解質が必要なのだが、アルコールの利尿作用が大切な水と電解質を体の外に出してしまう。それがアレとアルデヒドの排出を遅らせ、痛みやだるさの原因を作るという負の連鎖が二日酔いの正体というわけだ。 お酒を飲むと下痢をする人が多いが、それは飲み過ぎや食べ過ぎでお腹を壊すためであり、下痢でアルコールやアセトアルデヒドが排出されるわけではない。むしろさらに水分不足が進んで事態を悪くしてしまうので注意が必要だ。 アルコールの分解には肝臓が大きな役割を果たすが、アセトアルデヒドは後に酢酸に変化し、最終的に水と二酸化炭素となって排出される。この時発生する活性酸素種が肝細胞に大きな負担をかけ、脂肪の代謝を邪魔してしまう。お酒を飲むと太るのには、こんな原因もあった。 そんなわけで、悪酔い、二日酔い対策では、アセトアルデヒドをなんとかするのが効果的なのだが、谷口先生は、なかでもアルデヒドの分解を促進するタウリンを推している。タウリンは魚介類に多く含まれているので、お酒を飲む前後に、またおつまみにも魚介類がいいそうだ。