日本の核武装が「どう考えても無理」な具体的根拠、核兵器の開発は「気合でできる」ものではない
ただ、私はこの非核三原則には意味がないと考えています。なぜなら、アメリカは、アメリカの艦船が核兵器を搭載しているか否かについてはいっさい発言しません。核兵器を持ち込んでいてもノーコメントですし、持ち込んでいなくてもノーコメントなのです。 日本が立てている論理は、アメリカとの信頼関係は絶大なので、持ち込むときはアメリカが事前に通告しないことはあり得ないという前提に立っています。ですから、非核三原則は実際には意味をなさないものだと考えられるのです。
このような状況ですので、一部の人は非核三原則を改めて二原則にするべきだと主張しています。そうすれば、有事のときに核兵器を日本に持ち込めることになる。これはきわめて重要なことです。 ■日本の核武装が「絶対に無理」な構造的理由 勇ましく「日本を核武装化すべし」と唱える言論人がいます。しかし、それは現実的ではありません。核武装化にはハードルが多過ぎるからです。 まず、核実験をどこでやるかという問題があります。辺野古基地の移設でさえあれだけもめているのに、どこの都道府県が核実験場の建設を受け入れてくれるでしょうか。海中でも実験はできません。海中で実験をすると、部分的核実験停止条約に違反します。日本がこの条約に加盟している以上、実験はできません。
もちろんこの条約から離脱すれば、核実験はできるようになりますが、北朝鮮と同じ仲間ということになってしまいます。北朝鮮はこの条約の非加盟国で、核実験を何度も行っています。そしてご存じのように、世界中から厳しいバッシングを受けています。 また、フランスやイギリスの場合を見てみましょう。実は両国には核ミサイルの地上基地がありません。フランスもイギリスも、核ミサイルは原潜にしか積んでいないのです。なぜかといえば簡単な話で、原爆3発くらいで両国は失くなってしまうからです。地上に基地を置いたら狙われるだけですから、地上に基地はつくれないのです。