平和願い復帰の伝承誓う おがみ山で「市民のつどい」 奄美市名瀬
鹿児島県奄美群島の日本復帰71年を記念した「市民のつどい」(同実行委員会主催)が25日、奄美市名瀬のおがみ山公園であった。約40人の市民らが参加し、無血で復帰を成し遂げた先人たちの功績を顕彰。平和を願い、復帰運動の伝承を誓った。 市民のつどいは、毎年12月25日に実施。「奄美群島の日本復帰運動を伝承する会」など有志6団体が中心となり、2016年から現在の形で開催している。 参加者らは復帰運動を率いた泉芳朗の胸像に献花し「日本復帰の歌」を斉唱。安田壮平市長は「一致団結すればいかなる困難も乗り越えられること、平和を希求する心、スットゴレ精神、奄美の内外で呼応すること。いずれも大切な(復帰の)教訓。日本復帰のため活動した先輩たちは、奄美の歩んできた長い歴史を思い、筋を通すことを考えていたのではと思う。これからもそのような筋を通す政策や取り組みをしていきたい」とスピーチした。 このほか、県立奄美図書館の宮永治館長、沖縄県復帰っ子連絡協議会の前泊美紀代表、駒澤大学の須山聡教授がそれぞれあいさつし復帰記念の日を祝福した。 この後、参加者代表が「断食悲願」の詩を朗読。日本復帰祝賀の歌「朝はあけたり」を全員で声高らかに歌い、最後は万歳三唱で締めくくった。 毎年参加しているという中川恵子さん(77)は「先人が復帰運動を頑張ってくださったことが原点となり、今のいろんな活動や文化高い奄美がある。復帰当時は父の転勤で島におらず福岡に住んでいた。経験していないので、なおさら復帰を知りたいという気持ちがある。とても大切な日」と目を細めた。