天井知らずのマンション価格高騰、もはや庶民には手が届かない。買っているのは誰なのか
第3は、上層部を購入する地元の有力者です。地方タワマンの物件案内を見ると、上層部は部屋が広めに作られているケースが多いのです。 名前が挙がるのはいずれも地元出身で、その地方を代表する会社のオーナーたちです。昔から商売を取り仕切り、政治にも口を出す。地域の政治・経済の中枢を占め、よそから来て商売をするには、彼らの承諾がなければ販路を開くことができないような存在です。私は、彼らを「地方豪族」と呼んでいます。彼らが買う目的は、ずばり「天下を取る」ことです。その地域で自分が一番稼いでいる、あるいは地域のナンバーワンや名士であることの象徴として、タワマン最上階を買い求めるのです。
次回は、マンションを販売する側、すなわちデベロッパーの事情からマンション高騰の理由を探っていきます。
牧野 知弘 :不動産事業プロデューサー