習、プーチン両氏が北京で会談-中ロの結束誓い暗に米国を批判
(ブルームバーグ): 中国の習近平国家主席は16日、北京を訪れているロシアのプーチン大統領と会談し、ロシアがウクライナで始めた戦争が3年目となる中でも中ロ関係は引き続き強固とのシグナルを送った。プーチン氏は通算5期目入り後初の外遊先として中国を選んだ。
両首脳の会談後、中国国営の中央テレビ(CCTV)は習氏が「良き隣人、友人、そして相互信頼のパートナーとしてロシアと協力する用意がある」と述べたと報じた。中国は「両国民の友好を何世代にもわたって強固なものにしていく」用意があるとも習氏は話したという。
クレムリン(ロシア大統領府)のソーシャルメディアに投稿された動画によると、プーチン氏はロシアと中国の協力関係を「国際舞台における主要な安定要因の一つ」と表現し、「われわれは共に、正義の原則と、多極化の現実を反映した民主的な世界秩序、そして国際法に基づく世界秩序を支持する」と語った。
両首脳の発言は、近年築かれた中ロの緊密な関係を浮き彫りにしている。2012年以降、中ロ首脳は40回余り会っており、ロシアがウクライナへの大規模侵攻に踏み切る数週間前には両首脳は「無制限の友情」を宣言していた。
プーチン氏は22年2月のウクライナ侵攻開始以来、中国が提供してきた経済・貿易支援が維持されることを今回の訪中で確認したい考え。米国はロシアとの貿易を巡り中国に警告を発し、レッドラインを越えた銀行には制裁を科すことも辞さない構えを示している。
調印式
プーチン氏は同日行われた協力協定の調印式で習氏の隣に座り、貿易の90%が人民元とルーブルで決済されていると指摘。「これは、われわれの貿易と投資が第三国の影響から効果的に守られていることを意味する」と述べた。明らかに米国と世界における米ドルの圧倒的な役割を念頭にした発言だ。
この協定はメディア協力などの問題を含め中ロの協力関係を深めるもの。プーチン氏は、両国が銀行業で関係を強化し、決済システムの利用を増やすことで合意したとも説明。こうした取り決めやカメラの前で調印された協定の詳細は公表されなかった。