生命保険大手の元幹部らを特別背任罪で事情聴取 元董事長を約5億円で保釈/台湾
(新北中央社)生命保険大手、新光人寿が北部・新北市で運営する高齢者向けサービスアパートメント「ジャスパーヴィラ板橋」(新光新板傑仕堡)を関係企業に使用させ、代わりに内装費などを負担して同社に損失をもたらしたなどとして、台湾新北地方検察署(地検)は11日、同社元幹部や現役社員ら被告17人を保険法の特別背任罪の疑いで事情聴取した。新北地検は12日、呉東進・同社元董事長(会長)に1億台湾元(約4億8600万円)での保釈を命じた。 検察によれば、呉被告や同社元総経理(社長)の蔡雄継被告らは2019年から21年にかけて、ジャスパーヴィラ板橋を関係企業に使用させ、内装費などの工事費用を関係者に代わって負担した。同社の最大の利益を考慮せず、同社に約1億元の損失をもたらした疑いがある。また、同社幹部がホテル運営の傑仕堡商旅に高齢者向け住宅の運営や貸し出しを委託し、関係企業4~5社に延べ数百室を無償で使用させたことで、新光人寿に数百万元(1元=約4.86円)の賃料を機会損失させたという。 新北地検は呉被告の他、蔡被告ら5人をそれぞれ100万~200万元(約486万~972万円)で保釈した。残る被告11人は法務部(法務省)調査局台北調査処での尋問後に釈放された。 (高華謙/編集:名切千絵)