“生粋の京都人”のコーディネーターが解説する京都の伝統的おせち&その食材が買える京都のお店
鳴門金時で作る「栗きんとん」特別レシピ
料理研究家・柳瀬真澄さんの栗きんとんレシピを紹介。 《作り方》 【1】さつまいも1本は厚めに皮をむいて、1cm厚さの半月切りにし15分以上水にさらす。 【2】鍋に【1】、水、くちなしの実を1個入れ、竹串がすっと通るまで加熱。 【3】【2】をザルにあげて湯を切り、熱いうちにうらごしする。 【4】グラニュー糖50g、甘露煮のシロップ大さじ2、みりん40cc、塩1/4、水1/2カップを鍋に入れひと煮立ちさせアルコールを飛ばす。栗の甘露煮を10粒入れ、もうひと煮立ちしたら栗は取り出しておく。 【5】に【3】を入れて混ぜ、中火で5分程度混ぜながら加熱する。 【6】水分が飛んでぽてっとするまで練り上げ、栗を入れやさしくあえる。 ◆川政 聖護院大根や海老芋など京野菜を中心に、季節の食材を取り扱う青果店。栗きんとんに適した鳴門金時は、大きめサイズで1本460円程度。 住所:京都市中京区富小路通錦小路下ル大文字町597-1 ◆「ないものを生み出す」知恵が凝縮された京のおせち 前出のにらみ鯛や棒鱈などは、京都ならではの風習を取り入れている。 「京都は、海の幸など“カルシウム源”がほとんどとれない地域。そこで、かつては日本海から氷漬けにした鱧を運んでもらったり、福井でとれた鯖を酢でシメて届けてもらっていたりと、魚がとれない地域故の工夫を編み出してきました。棒鱈もその1つで、鮮度が落ちやすい真鱈を天日干しにして鱈の旨みを凝縮させ、流通しやすくしたもの。 かくして、決して豊かな素材はないけれど、都にさまざまな素材が入ってきて、それらをアレンジしたのが京料理といわれています。食材を豪華に見せるためにお皿に盛りつけたり、鯖に太い昆布を巻いて旨みを出したりしたのも、ないものを取り入れ、いかにおいしく食べるかという、京都人の知恵ですね」(車戸さん) ◆京都の正月に欠かせない縁起物 京都に古くから伝わる縁起物や欠かせない食材を取り入れて新年を迎えましょう。 ◆一家の地盤を固めてくれる美しいお祝い菓子「花びらもち」 京都で松の内にいただくお祝い菓子。「平安時代、宮中で行われた元日節会に『歯固(はがため)』という祝儀があり、これを食べると地盤を固められるといわれていました」(車戸さん)。 ◆二条駿河屋 住所:京都市中京区二条通新町東入ル大恩寺町241 ◆無病息災を願い新年にいただく縁起物のお茶「大福茶」 一年の健康を願っていただく大福茶。平安時代、京に疫病が流行した頃、梅干しを入れた薬茶をふるまったところ、疫病が弱まったことが起源とされている。丸久小山園の大福茶は、香りのよい煎茶に玉露をブレンド。 ◆丸久小山園 西洞院店 住所:京都市中京区西洞院通御池下ル西側 お取り寄せは公式HPへ ◆仕上げにあしらうとおせちがより華やかに「金箔」 江戸時代から300余年、金箔を提供し続けてきた専門店。現在は絵画や工芸作品に使われることが多いが、食品用金箔も一定の人気があるという。 「黒豆に金箔をかけるのも素敵ですが、白いお餅や数の子、イクラにかけてもおしゃれですよ」と、同社取締役総務部長の堀裕子さん。 ◆堀金箔粉 住所:京都市中京区御池通御幸町東入大文字町356 ◆教えてくれたのは:京都コーディネーター・車戸邦茂さん 生まれも育ちも生粋の京都人。京都の案内人として、外国人を中心に日本の文化を発信している。 ※本特集で紹介した食材の価格は変動する可能性があります。また、在庫がなくなり次第販売を終了することもあります。 撮影/玉井幹郎、菅井淳子 取材・文/桜田容子 ※女性セブン2024年12月19日号