不正発覚号泣きっかけで透明化 “痛い目合ってない”都議会は改革立ち遅れ
ある都民の家庭で
(これまでのあらすじ) 都内在住、都民夫(みやこ・たみお)さんは妻と高校生の息子・都議一(みやこ・ぎいち)さんの3人家族。議一さんの学費捻出のため、忙しく働き、家庭を顧みる時間がなかった民夫さんだったが、息子が通う都議会高校で、もうすぐ編入生を含む入れ替え試験があると知り、成績がどのようになっているのか、心配に。しかし、議一さんの“成績表”はなく、参考書や問題集を購入した“領収書”もすぐに確認できず。思い切って民夫さんが議一さんの部屋に入ってみると「都庁堂」で勧められたものを、よくよく考えず、いろいろ買っていたことがわかった……。
息子が領収書を不正発覚、号泣「確かめなかった親にも落ち度」
息子・議一さんをこのまま信じて、本人に勉強を任せておいていいのだろうか。 民夫さんは、思い切ってお隣の大阪さんと兵庫さんに議一さんのことを相談しました。大阪さんと兵庫さんの息子は、近年めきめきと成績を上げ、今は全国1、2位を争う大学に入学したと聞いています。 「都さん、それはアカンわ」。 兵庫さんの妻から厳しいダメだしがでました。民夫さんが議一さんの領収書をすぐ確かめられなかったことが、問題だというのです。 聞けば、領収書には苦い思い出があるらしく ── 。 「やれ『塾行く』、『夏期講習の合宿行く』言うて小遣いもって行ってな、そのくせ実は彼女と温泉に出かけてたんよ」。 なにやらあやしいと感づいた兵庫さんが、息子の交通費を調べたところ、告げられていた行き先と実際はまったく違っていたことが発覚。 「学校の前でとっつかまえて厳しく追求したら、もう大泣きしてやな。泣き虫だの、“号泣高校生”だの、ずいぶんみんなに笑われたんやけど、おかげですっかり心入れ替えよったわ」。 2度とこんなことを起こさないよう、今はお金が必要なときはそのたび申告、何に使ったかという小遣い帳とレシートの提出を家族でルール化したことを力説する兵庫さん。 「息子を信じたい気持ちは分かんねんけどな、先にお金を渡しておきながら、どう使ったとか、確認せえへんのは無責任。ちゃんと見んかった親にも落ち度があんねんで」。 兵庫さんの言葉に、放置していた自分にも非があったと感じ、民夫さんはうなだれました……(つづく)。