不正発覚号泣きっかけで透明化 “痛い目合ってない”都議会は改革立ち遅れ
改革進む大阪府・兵庫県の議会と比べると ──
早稲田大学マニフェスト研究所は全国の地方議会を対象に、「情報共有」「住民参加」「機能強化」の3つの観点から、どのくらい議会改革が進んでいるかアンケート調査を実施しています。最新の都道府県別ランキング結果で、大阪府議会は1位(前年度3位)、兵庫県議会は2位(同1位)だったのに対し、東京都議会は36位(同35位)でした(同研究所「議会改革度調査2016」)。 全国1347議会が回答した最新の全国ランキングでも大阪府議会6位(前年度15位)、兵庫県議会12位(同12位)と、どちらも先進議会として定着してきています。それに対し、東京都議会は同研究所が公表している全国上位300のランキングまでに入ることが出来ていません。 こうした改革に取り組む進度の差は、どのようなところで生じたのか。 例えば、兵庫県議会は、2014年夏に県議の政務活動費における交通費不正支出が表面化、範囲を広げて使途を調べたところ、他の県議たちにも問題が波及し、全国的な注目を集めたことが改革が一気に進むきっかけとなりました。 その結果、政務活動費の前払いを見直し、会派に交付してから議員に精算払いする方式に、また視察調査は報告書を提出するなど支出ルールを変更しました。その上で、収支報告書と会計帳簿については15年度から、前年度からは領収書もインターネットで見ることができるよう、情報の透明化を図りました。 前年度から、領収書を含めた政務活動費に関する全提出書類をインターネットで公開している大阪府議会は、年度を指定し、会派名または議員名を入力すれば、簡単に閲覧できるようシステムを工夫しています。 都議会の場合は、ようやく本年度から、全国一高かった政務活動費60万円を50万円に減額し、収支報告書と領収書の写しをインターネット公開することが決まりました。今までは、平日に都議会へ足を運ばないと見ることができなかった領収書を、いつでも確認できることになります。政務活動費の支出内容は本当に適正か、本当にこれらの情報でガラス張りといえるのか。耳の痛い助言を受けた民夫さんのように、有権者自身が積極的に確かめる必要があります。