不正発覚号泣きっかけで透明化 “痛い目合ってない”都議会は改革立ち遅れ
「透明度日本一」目指した店員登場
さて、民夫さんは、議一さんが都庁堂で店員の百合子さんに勧められるまま教材を買っていたことも相談しました。 「それもアカンな」。 今度は大阪さんからダメだしです。大阪さんも、大阪府議会高校に通っていた息子が隣にある書店「府庁堂」で、やはり店員に勧められるまま、いろんなものを買っていたと話します。 ところがそのころ府庁堂にやってきた店員ハシモトさんが「透明度日本一の府庁堂」を目指すと宣言。商品に寄せられた声や意見を次々公開し始めました。そして、買い物する生徒にも「府庁堂に何が必要か、自分で勉強して、提案してくれ」と求めたといいます。 「はじめは変わった店員や言うて、みんなとまどってたんやけど。確かに、自分のしたいこと、自分がせなあかんことは、自分で考えて、ちゃんと言わなアカンな、って変わっていったんや」。……(つづく)。
政策提案できる議会になれるのか
前回も触れましたが、都議会の前回選挙後、2013年第3回定例会から今回の選挙直前2017年第2回定例会までの任期4年間で、議員提出議案(専決指定除く)は条例案37件、意見書42件、決議25件の計104件、知事提出議案に対し、1割未満しかありませんでした。 しかもその中で可決された69件のうち、地方自治体独自のルールである条例はわずか9件。すべてが議員の報酬や期末手当、議会委員会条例の一部改正や議会情報公開条例の一部改正など、自分たち議会運営に関するもので、いわゆる政策型議員提案条例はゼロでした。 一方、大阪府議会、兵庫県議会とも、過去3年間に政策型議員提案条例を制定しています(早稲田大学マニフェスト研究所「議会改革度調査2016)。同研究所は両議会について「議員の不祥事や強力な首長の力に直面し、地域にとって議会はどうあるべきかを再度捉え直して、議会改革を進めた」とみています。 都議会は議員を支える議会事務局員数も、女性議員の比率も全国最多でした。議会活動の環境も、多様な意見を反映する環境も、最も充実しているはずの都議会が、4年間でこうした立案の結果ではさびしいかぎりです。 都議会が「二元代表制」の役割を意識し、小池知事と対峙できる改革推進に乗り出すことはできるのか。今回の都議選はそのきっかけとなる選挙です。