これが「オーバーサイズ」の正体。 ユニクロで探る“だらしない”と“オシャレ”の境界線
ポイント4:「凝ったデザインはなるべく避けて、シンプルに徹する」
オーバーサイズが上手に取り入れられない。その要因のひとつに“デザイン”がある。凝ったデザインのアイテムは難易度が高く、着こなす際にもセンスと技が求められる。シンプルで定番的なアイテムを選ぶことで、ハードルはグッと下がるのだ。 そこで、定番のナイロンブルゾン×ジーンズはいかがだろう。機能性に優れた「ウィンドプルーフスタンドブルゾン」と軽やかな「ワイドストレートジーンズ」。 色数を抑えることで、オーバーサイズでもすっきりとしたモダンな佇まいに。 「ただそれだけでは洒脱さが足りないので、インナーにジーンズと同色のタートルネックを合わせて品良く仕上げました。上下を同色でつなげることで、腰位置を誤魔化し、スタイル良く見せることもできます」(井上さん) ポイントは色選び。真っ白だとアクティブ感が際立ってしまうが、今回はこなれた雰囲気のオフホワイトを採用。余計なロゴがなく、シンプルなデザインで使いやすく好印象だ。カラーに迷ったら中間色を選ぶと良いだろう。
ポイント5:「クリーンさを意識して、キレイめアイテムをどこかに入れる」
オーバーサイズのトップスはカジュアルな印象になりがちで、言い換えれば子どもっぽく見えてしまう場合もある。そこで、大人っぽくキレイめなパンツを合わせてカジュアルさを中和してみよう。シンプルな方法だが、効果は絶大だ。 「ダブルフェイスシャツジャケット」と「スウェットオーバーサイズプルパーカ」を重ねて防寒性を高めるも、装い自体はカジュアルだ。ここに、「タックワイドパンツ/チドリ」を合わせるだけで、シックな雰囲気に向かう。 「気付きづらいですが、実は細かな千鳥格子柄です。ワンタック入りのワイドシルエットがリラックスした穿き心地を実現し、上品な柄使いがカジュアルなオーバーサイズコーデを大人っぽくクリーンに見せてくれます」(井上さん) 異なるテイスト同士を組み合わせることで、シンプルな着こなしもワンランク上のものに仕上がる。これはぜひ覚えて実践したいテクニックだ。千鳥格子柄のほか、無骨な雰囲気を持つヘリンボーン柄もあるため、どちらも確実に押さえておきたい。 さて、大人がオーバーサイズコーデを制するために必要な“だらしないとオシャレの境界線”を、5つのポイントとともに探ってみたが、参考になっただろうか。 本稿の冒頭でも述べたように、オーバーサイズは体型隠しにも便利で、今さらスタイルを変えるのは中々難しい話だ。しかし、逆に考えれば、大人ならではの着こなし方を身につけてしまえば差を付けられるということ。この5つのポイントを意識するだけで、コーデの完成度も確実にアップするはずだ。
<取材・文/TOMMY スタイリング/井上裕介 写真/田中利幸 取材協力/UNIQLO>