知人がそろって「ふるさと納税」を行っていますが、いまいち実態がわかりません。誰がどんな経緯でつくったシステムなのでしょうか?
数年前からふるさと納税という言葉をニュースやCMでもよく耳にするようになりました。 お得なイメージはあるものの、どのような制度で何がメリットなのかいまいちよく分からないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。 そこで本記事では、ふるさと納税の仕組みや制度の歴史について解説します。利用するメリットや注意点も紹介しているため、参考にしてみてください。
ふるさと納税とは?
ふるさと納税は、名称に納税とついていますが、正確には都道府県や市区町村への寄付制度です。通常は自治体に寄付して確定申告をすると、寄付金額の一部が所得税や住民税から控除されます。 しかし、自分の選んだ自治体に寄付するふるさと納税の場合は、一般的な寄付とは異なり、原則として自己負担額である2000円を除いた全額が控除の対象になります。 例えば、扶養家族が配偶者のみの年収700万円の給与所得者が、3万円ふるさと納税をすると、2000円を引いた2万8000円が所得税と住民税から控除されることになります。
ふるさと納税の歴史
ふるさと納税という制度が誕生したのはなぜでしょうか。ふるさと納税は2006年に当時の福井県知事が問題提起をしたことが、誕生のきっかけになっているといわれています。 多くの人が生まれ育った地方の自治体から教育や医療などのサービスを受けます。しかし進学や就職のタイミングで都会へ転居すると、納税先は今まで住民サービスを受けていた地方ではなく、現在住んでいる自治体になってしまうのです。 そうすると地方の自治体は税収が得られません。そのため、「今住んでいるところだけでなく、自分が生まれ育った故郷にも納税ができないのか」という問題が提起され、2008年にこのような制度が生まれました。 つまり、ふるさと納税は、自分で選んだ自治体に寄付できる制度ではありますが、本来は「自分が生まれ育った故郷への還元」が目的で誕生した制度なのです。