会計検査院

　政府の途上国援助（ODA）を会計検査院が調べたところ、利用率が当初目標の0.2%にとどまるなど、5事業（国費計約41億円）で効果が十分に発揮されていなかった。検査院は改善を求めた。 　検査院は2004～23年度のODAの146事業を調べた。カンボジアに約29億円を貸した通信網整備事業では、固定電話サービスなどのために約400キロの光ファイバー網を整備する計画だったが、事業の実施期間が約11年に及んだ。この間に中国やベトナムの事業者が進出し、顧客を奪われた。22年時点の利用率は0.16%で、当初の目標の61%を大きく下回った。 　草の根無償事業では、タンザニアの民間団体に1566万円を贈与し、中学校の女子寮2棟を建設する計画だった。契約締結後18年以上たった24年5月においても1棟は完成しておらず、もう1棟はトイレがなかった。検査院は「現地で、事業者の様子をみて実施条件の見直しなどすべきだ」と指摘した。事業を担う外務省は「指摘を受けて改善に取り組みたい」としている。（座小田英史）