肌寒い。急に突然訪れた秋の大きな気温変化、備えるために食べておくとよいものは【田野岡メソッド/二十四節気のかんたん養生】
熊本で高菜が食べられる理由も、驚くほど理にかなっているのです
再春館製薬所への通勤路に青々と育っている野菜があったので、何だろうと調べてみたところ「高菜」でした。高菜は小松菜などが属するアブラナ科の葉野菜で、主な産地は九州。高菜漬けは加工食品として道の駅などで販売されたり、とんこつラーメンのトッピング具材として使われていたり…とよく目にする常備菜です。その作用を調べてみると「宣発」に働きかける作用がありました。食材の作用を知って「この時期の肺の機能を助けてくれる大切な野菜」と認識すると、日に日に大きくなる高菜畑の横を通ることが楽しく感じるようになりました。 道の駅などで売られている高菜漬けには、白ゴマとウコンを加えてゴマ油で炒めた、少しピリリと辛い味のものもあります。白ゴマは大腸の働きをサポートしてくれますし、唐辛子は毛穴の開きをサポートするので肺の働きを助けることにつながります。黄色く見える高菜漬けはウコンの色が多いのですが、ウコンは肝の気のめぐりに働きかけてくれます。ストレスがたまってしまった時に出るストレス咳にまで作用が期待できる…と思うと、高菜漬けがとても養生食に感じられます。 熊本城主が加藤清正だったころから、熊本の地は養生、自然と身体のバランスを意識していたように感じます。熊本城の本丸には大きな銀杏の木が植えてありますが、あれも籠城に備えてのことだと言われています。私たちの再春館の名も、肥後藩主が細川重堅公の時代に創設された日本初の公立医学校で、医学を学びたい人に門戸を開いた藩校「再春館」に由来しています。自然とともに生きる土地に、私は呼ばれていま仕事をしているのかもしれません。
再春館製薬所 田野岡亮太