【蒲郡ボート・PGⅠクイーンズクライマックス】逃げて大会2Vの遠藤エミが〝夏冬女王〟
蒲郡ボートのプレミアムGⅠ「第13回クイーンズクライマックス」(優勝賞金1700万円)は12月31日、第12Rで優勝戦(安定板を使用)が争われ、遠藤エミ(36)=滋賀=がインからコンマ13の好スタートを決めて逃げ快勝。2022年3月の大村クラシックで史上初の女子SG覇者に輝いた〝最強女子〟が17年の第6回大会以来2度目Vを飾るとともに史上初の〝同一年の夏冬女子GⅠ制覇〟を成し遂げた。GⅠは5Vで女子単独最多記録(SGは1V、通算は45V)。4年連続5度目の賞金女王になった。2着は地元の細川裕子、3着には三浦永理が入った。 最強女子が新たな金字塔を打ち立てた。激戦のトライアルを1位で突破して9年連続の大会ファイナルを絶好枠で迎えた遠藤が逃げ快勝。4連勝完全Vを遂げた2017年の第6回(大村)以来の大会2Vで、24年8月の福岡PGⅠレディースチャンピオンから史上初となる同一年の夏冬女子GⅠ制覇を成し遂げた。 「ホッとしています。昨日(TR3回戦)みたいな感じにはしないようしっかり調整して、今節では一番いい仕上がりだったと思います。エンジン抽選のときは一番いいとは知らなくて…。でも、前検の一発目の試運転で『めっちゃいいエンジンやん』ってなってチャンスだなと思いました」 選出1位で真っ先に引いたエンジン抽選でエース64号機をゲット。TR1、2回戦を連勝し、枠番抽選で1号艇を引き当て完全V再現も現実味を帯びてきた同3回戦で海野に差されてインから2着に惜敗。その反省を糧に安定板装着にも対応し、6枠・平山の前ヅケによる深インもモノともせず汚名返上の逃げで4年連続5度目の賞金女王に輝いた。終わってみれば4戦3勝2着1本の準完全Vだったが、断然の一番人気に応えて重圧から解き放たれた表彰式では、ファンの大歓声に思わず涙がこぼれた。 この優勝で女子最多のGⅠ通算5Vを達成。そして今年2月に新設された浜名湖スピードクイーンメモリアルでの女子GⅠ3冠へ、「推薦で選んでいただいて頑張りたいです」と意欲をのぞかせる。現代のジェンダーレスを象徴するような女子初のSG覇者として、2度目のグランプリ参戦の機運も高まるが「まだそこを意識して走れる力をつけられていないので」と自己評価は辛口。「目の前の一走一走を全力で走っていたらチャンスがあるかもしれないですね」。謹厳実直な湖国の勝負師が、不断の全力疾走で今年もファンの期待に応える。(小出大輔) ◇