育休中の部下が「復帰直前」で退職! 休み中の仕事をフォローしてたけど、なぜ復帰せずに“退職”してしまうの?「育児休業給付金」を返還する必要はあるの?
厚生労働省の調査によると、令和5年度の育児休業取得率は男性も30%を超え、女性は84%に達しています。しかし育児休業中の時期や育児休業から復帰した直後に退職する人も存在します。 本記事では育児休業から復帰せずに退職した場合、育児休業給付金はどうなるのか、なぜ育児休業から復帰せずに退職を選択するのか、2025年4月からの育児休業に関する延長審査の厳格化について解説します。 ▼有給休暇の取得に会社の許可は絶対に必要?「繁忙期」でも取得できるの?
育児休業から復帰せずに退職しても育児休業給付金を返還する必要はない
育児休業から復帰せずに退職しても法律上は問題なく、育児休業給付金を返還する必要はありません。育児休業中に退職した場合は退職日を含む支給対象期間の1つ前の期間まで育児休業給付金が支給されます。 ただし、育児休業取得前から育児休業中の退職意思があれば、育児休業給付金の支給対象外となります。育児休業中の退職はモラルの面でよく思わない人も多いでしょう。育児休業中や育児休業から復帰した直後に退職する理由は何でしょうか?
育児休業から復帰せずに退職する理由とは?
育児休業制度は復帰を前提とした制度ですが、育児休業中、または育児休業から復帰してすぐに退職する理由として、次のことが考えられます。 ●保育園などに入れなかった ●子どもに病気や障害がある ●産後に体調が崩れてしまった ●妻、夫転勤などで引っ越しをする ●育児と仕事の両立が不安になる ●子どものそばにいてあげたいと考えた このようにやむを得ないケースもあれば、育児休業中に不安になるケース、自身の価値観や考え方が変化するケースも考えられます。 育児休業から復帰せずに退職されると、それまで休業者の業務を負担していた側にとってはモヤモヤするかもしれませんが、退職せざるを得ない事情も考えられます。
2025年4月から育児休業延長審査が厳格化され、新たな問題も?
育児休業給付金は本来、子どもが1歳の誕生日を迎える前々日まで支給されますが、保育所に入れないなどの理由があれば、最大2歳まで受給することが可能です。 2025年4月から育児休業延長審査が厳格化され、これまでの手続きに加えて、保育所などの利用申し込みが速やかな職場復帰のために行われたという確認が必要になり、明らかに育児休業の延長を狙った申し込みの場合は育児休業給付金が延長されなくなります。 育児休業給付金が受給できず子どもが1歳になる段階で復帰する親が増えると、「もっと子どもと一緒にいたい」「育児と仕事の両立が不安で働き方を変える」といった理由で育休中や、育休終了直後に転職・退職するケースが増えるかもしれません。 企業にとっても社員が退職してしまうのは損失ですし、社員側も退職またはパートなどに働き方を変えた場合は、収入の低下につながる可能性もあり、双方にデメリットが生まれてしまいます。育児と仕事の両立に悩む従業員の悩みに企業側が応えられるかが重要になると考えられます。
まとめ
育休中や育休終了直後に退職しても育児休業給付金を返還する必要はありませんが、周囲からよく思われない場合もあります。一方でやむを得ず退職するケースも多くあります。 また2025年4月から育児休業延長審査が厳格化され、明らかな育児休業延長狙いの保育園選択はできなくなり、ますます育児と仕事に悩む従業員は増えると予想されます。そのような社員が退職や転職を選択しないように企業側にも柔軟な姿勢が求められるでしょう。 出典 厚生労働省 Q&A~育児休業給付~ 厚生労働省 育児休業給付金の支給対象期間延長手続き 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部
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