【高校サッカー全力新聞】岩手・遠野“青と白のペンギン軍団” 監督も立った聖地・国立へ
2023年1月にアメリカのニューヨークタイムズ紙が「2023年に行くべき52か所」を発表。岩手県盛岡市がロンドンに続く2番目に選ばれました。記事では盛岡市を「歩いて回れる宝石的スポット」と評価。東京から新幹線で数時間で行ける便利さや大正時代に建てられた和洋折衷の建造物、盛岡城跡公園やわんこそばの名店などが紹介されました。 【画像】【高校サッカー】夏冬岩手で2冠 東北王者にも輝いた遠野が3大会ぶりに全国へ その他、スポーツ界では野球の大谷翔平選手や佐々木朗希投手、菊池雄星投手、スキージャンプでは小林陵侑選手など、世界に誇れるアスリートを多数輩出しています。高校サッカーでは第85回大会で盛岡商業が県勢初の日本一に輝きました。 12月28日に開幕を迎える第102回全国高校サッカー選手権大会。岩手県代表は遠野高校。全国の初戦は、12月31日の2回戦、熊本代表の大津と対戦します。
■本州一の面積を誇る岩手県で創立120年以上を誇る伝統校
本州で最も面積が広い岩手県の内陸部に位置する遠野市。民俗学者・柳田國男の「遠野物語」の舞台になった町として有名で、カッパや座敷童など妖怪の不思議な伝承が残っています。またジンギスカンの町としても有名。 そしてスポーツでは、サッカーが人気です。その象徴が学校創立120年の伝統を誇る遠野高校で、町全体で遠野サッカー部を応援するほどの熱量があり、2016年には岩手国体でサッカー競技の会場にもなりました。(小学校~高校まで同じペンギンカラーのユニホームを使用) また遠野高校では100年以上続く伝統行事「うさぎ狩り」があります。戦前に農作物被害対策として始まり、1979年を最後にうさぎの捕獲ではなく、生徒の連帯意識を図るレクリエーションに変化。着ぐるみを着たサッカー部員(ウサギ役)を全校生徒が追いかけ捕獲します。イベント後には校庭でジンギスカンを囲み親睦を深めます。
■「青と白のペンギン軍団」遠野
青と白のユニホームから、愛称で「ペンギンのユニホーム」と呼ばれています。 全国選手権出場回数は県内最多を誇り、84回大会では県勢で初めて(旧)国立の舞台へ。現在遠野を率いる佐藤邦祥監督は当時高校2年生ながらCBとしてピッチに立ちました。それから18年、遠野が国立に立った年に生まれた子どもたちが高校3年生となり、全国選手権出場を決めました。 部員のほとんどが岩手県出身。北国・東北の地で育った選手たちには「ペンギン」のように冬の寒さを耐え忍ぶ強さが備わっています。 監督も立った憧れの聖地に、現メンバーも進むことはできるのでしょうか。岩手の「ペンギン軍団」遠野高校の躍進に注目です。 (取材・文 高校サッカー選手権民放43社/テレビ岩手)