1枚あたり320g以下! 超軽量で暖かいピークパフォーマンスのダウン「ヘリウム」
1枚あたり320g以下の軽さを誇る「ヘリウム」
まさしく雪山生まれ、雪山育ち。そんなブランドの存在を世界中に知らしめたのが、傑作ダウン「ヘリウム」だろう。風船に封入するガスから採用されたその名の通り、驚くほどの軽さを誇るロングセラーシリーズ。軽さはジャケット1枚あたり、 240~320gと言われている。圧縮・耐水・耐風性にも優れ、スキーのシュプールを想起させるS字ステッチングもアイコニックだ。
「アウトドアアクティビティに適した、軽量で高い保温性を持つダウンジャケットを目指して開発されました。S字を描く波型ステッチは、各セクションに正確な量のダウンを施したキルトパターンによって暖かさを最適化し、コールドスポットを排除するという実用性も備えているんです」
初代となる2012年の「ヘリウム ダウン フード ジャケット」のリリース以降、派生モデルも多種多様だ。
リバーシブル仕様のウィメンズモデル「ヘリウム リバーシブル ジャケット(インサレーションタイプ)」、フードのない「ヘリウム ダウン ジャケット」、袖をフリース素材に切り替えた「ヘリウム ハイブリッド ダウン ジャケット」はたまた首元と頭部をピンポイントで彩る「ヘリウム バラクラバ」など。 その顔触れはアウターだけでなく、ミドルレイヤーからアクセサリーにいたるまで百花繚乱。毎シーズンのように新作が加わるラインナップは、上昇を続ける支持率のバロメーターとなるだろう。
かたや生粋のアウトドアウエアだけに、機能性とサステナブルという2軸も外さない。 現行モデルで使われる700フィルパワーのダウンはすべて原産地を追跡可能で、シェル素材にはPFCフリーのリサイクルポリアミドを採用する。 北欧の厳しい環境に耐えうるタフネスは言わずもがな、創業者の想いを引き継ぐシンプルで飽きのこないルックスも、トレンドに左右されず末長く着用できるという点で持続可能なメリットとなる。
スキーヤーによるスキーヤーのための服
しかし圧巻の完成度とは裏腹に、とりわけ日本のファッションシーンからはピークパフォーマンスの名前はさほど聞こえてこない。冒頭の通り、アウトドアウエアを街で着ることが一般化された現在では、なおのこと不思議な現象である。なぜだろう。