日本独自の進化を遂げた「軟式野球」、「硬式野球」とは異なる競技環境
「中学まで軟式」の選手は活躍する?
「野球離れ」を食い止めるためには、手軽に始めることができる「軟式野球」の普及策は重要な課題だといえる。 軟式野球からプロ野球に進んだ選手には、殿堂入り投手の大野豊(広島)、東映のエースだった土橋正幸などが知られているが、それほど多くはない。 しかし中学時代まで軟式で、高校から硬式野球に進んだ選手の中には、NPBで大活躍している選手が何人も出ている。 2019年は12球団の開幕投手が、全員公立中学の軟式野球部出身だったことが大きな話題となった。 広島:大瀬良大地(大村市立桜が原中) ヤクルト:小川泰弘(田原市立赤羽根中) 巨人:菅野智之(相模原市立新町中) DeNA:今永昇太(北九州市立永犬丸中) 中日:笠原祥太郎(新潟市立新津第二中) 西武:多和田真三郎(中城村立中城中) ソフトバンク:千賀滉大(蒲郡市立中部中) 日本ハム:上沢直之(松戸市立第一中) オリックス:山岡泰輔(広島市立瀬野川中) ロッテ:石川歩(魚津市西部中) 楽天:岸孝之(仙台市立柳生中) 軟球は硬球よりも軽くて、肩ひじへの負担が少ない。中学時代に硬球をたくさん投げてOCD(離断性骨軟骨炎)などになって投手を断念するケースは、今も多いが、軟式野球ではそのリスクが大幅に減少する。 軟式野球は、子供たちの健康を考えるうえでも有意義な競技だといえる。 野球人口の拡大のためにも、軟式野球の振興策を真剣に考える時期が来ている。