船井電機破産の衝撃! アマゾンに採用された同社「電動アシスト自転車」の今後は大丈夫なのか?
電動配送バイクの行方
船井電機が破産したことで、アマゾンジャパン向けに納入中のライデンの今後がどうなるか、他の企業に引き継がれる可能性を考えてみよう。 事業継承先としてまず考えられるのが、東京都北区に本社を置くシゲオーだ。アマゾンジャパンが2023年初めて導入したリヤカー付き電動アシスト自転車を製作した実績があり、その際のプレスリリースにもシゲオー製の電動アシスト自転車にリヤカーが接続された写真が掲載されていた。ただし、シゲオーは従業員数が45人と小規模なため、船井電機からライデン事業を引き継ぐのは難しいと考えられる。 他の候補としては、ライデンにドライブトレインやバッテリーを供給しているシマノ、電動モビリティ分野での提携を強化しているカワサキモータースやパナソニックサイクルテック、さらにホダカと提携して電動アシスト自転車を開発しているジャトコなどが挙げられる。 どの企業が引き継ぐにせよ、アマゾンジャパンのラストマイル配送の画期的な取り組みをさらに広げていくためには、円滑に事業が継承され、ライデンの供給が維持・継続されることが望ましい。
広がる破産の波紋
船井電機の新事業だったライデンは、都市型配送の持続可能なソリューションとして注目され、物流業界の環境負荷を減らす画期的な取り組みだ。 電動アシスト自転車のノウハウを持つ大手モビリティ企業が事業を引き継げば、都市での新しい配送スタイルが広がり、ライデンが日本発のサステナブルなモビリティモデルとして進化し、広く認知されることが期待される。 船井電機の破産という予想外の事態でライデン事業の将来は不透明だが、他企業による継承の行方を見守りつつ、今後もライデンが活躍する姿を期待したい。
成家千春(自動車経済ライター)