今村洋史・元衆院議員の病院、新型コロナ診療体制の補助金1・6億円を不当申請…「考え甘かった」
診療所は同区内のマンションの一室(62平方メートル)で、同クリニックは「パーティションを使って部屋を分け、トイレも診療室にした」と検査院に説明したが、診療室の図面など証拠資料を残していなかった上、医師は2人のみで訪問診療で外出していた時間も多かったことが判明。検査院は、補助金のうち5億6000万円の支出は不当だったと指摘した。同クリニックは全額を返還したという。
同クリニックは「取材はお断りする」としている。
厚労省の担当者は「指摘は真摯(しんし)に受け止める」とした上で、「当時は速やかな支援の必要があり、コロナ対応にあたる医療機関の負担軽減のため、申請書類も簡素化していた」と釈明。愛知県の担当者は「重く受け止めている」と述べた。
検査院はこれら診療体制の整備を対象とした補助金に加え、コールセンター業務での人件費水増しや、子育て世帯向けの交付金の支給ミスなどを含め、コロナ対策全体で50億7000万円の支出に問題があったとした。
このほか検査院は、各自治体に支出された国の地方創生臨時交付金(コロナ交付金)について、国庫への返還が必要な交付金が計205億円に上ると指摘した。うち8割が未返還で、自治体から水増し受給などの不正が認定された検査事業が大半を占めるという。
◇
検査院が6日に公表した23年度の決算検査報告書で指摘された国による税金の無駄遣いや不適切会計は、前年度比12%増の648億円(345件)。うち法令違反などにあたる「不当事項」は77億円(294件)だった。