FTC、詐欺的なマーケティング戦術や AI による虚偽レビューを取り締まる
推奨、施行、AIのリスク
Googleやイェルプ(Yelp)などの企業も変更を是認したが、一部の専門家はこれらの更新が正しい方向への一歩ではあるものの、十分ではないと考えている。これらの規則は、ソーシャルメディアや大手eコマース企業を規制するのではなく、企業が虚偽のレビューを作成することを防止するだけだ。米国の法の外にある虚偽レビュー業界が存在することも、規制を難しくしている。 「マーケットプレイスはすでに多くのオンラインの虚偽レビュー作成者で溢れている」と、元犯罪捜査官で、現在はウォッチドッグウェブサイトのフェイクレビューウォッチ(Fake Review Watch)の創設者であるカイ・ディーン氏は語る。 「AIの出現により、この問題はますます悪化するだろうと私は予想している。AI生成レビューを試してみたことがあるが、AIはコンテンツをごく簡単かつ迅速に出力した。これは驚くにあたらない。しかし、特定のレビューが実際の人間によって作成されたのか、AIで生成されたのかを指摘することは簡単ではない」。 FTCは、政府がソーシャルメディアを規制しない理由についてはセクション230の問題を回避するため、サードパーティのプラットフォームを規制しないことを選んだのかもしれないと話している人たちもいる。 しかし、それでもFTCは別の方向性を選ぶことができたとディーン氏は述べる。たとえば、プラットフォームが特定の企業のページからどれだけの偽造または紛らわしいレビューを即除したのかをユーザーに公開することや、すべてのレビュー作成者をより徹底的に特定する、削除されたものも含めてすべてのレビューにユーザーがアクセスできるようにするなどを義務づけることはできたと同氏は述べている。 「これらや、ほかにも私がFTCに提示した具体的な助言を実行すれば、実際に何が起きているのかについて消費者にもっと透明性を提供することができるだろう。自分が5万ドル(約720万円)でキッチンのリフォームを頼もうと思っている業者に対する虚偽レビューをGoogleやイェルプが数十個も削除したなら、そのことを知りたいと思うのが普通だろう」と、ディーン氏は述べている。 コンシューマーレポート(Consumer Reports)でポリシーアナリストを務めるマット・シュワルツ氏は、自分のウォッチドッググループは全体として新しい規則を支持していると述べる。最終版の規則では、Amazonのレビューのハイジャックなどの問題について最初に一部の提案が削除されているものの、透明性が高まり、罰金の増額により企業が悪意の関係者になることが阻止されるかもしれないと同氏は考えている。 「最も重要なのは、この規則がどれだけ効果的に執行されるかだ」とシュワルツ氏は述べている。 [原文:AI Briefing: FTC cracks down on deceptive marketing tactics, fake reviews] Marty Swant(翻訳:ジェスコーポレーション、編集:坂本凪沙)
編集部