堀込せり、すっきり しゃっきり 山形の伝統野菜、収穫本格化
冬の食卓を彩る「堀込せり」の収穫が、山形市前明石地区で本格化している。ハウス内では、生産者が木箱に入って腰をかがめ、水に浮かべたセリの泥を洗い落とす作業を行っている。 同地区では約70年前、蔵王山系の地下水を利用して栽培が始まった。現在は約10軒が生産に当たっている。同地区在住で生産歴約50年の山口和夫さん(79)は約30アールの農地で育てている。今年は猛暑の影響で一部が生育不良だったものの、全体としては順調に育ち、平年並みの出荷量を見込む。 セリ農家は近年減少し、後継者の確保が課題という。山口さんは「次の担い手が見つかるまでは、伝統野菜が絶えないように守りたい」と話す。出荷は年末にピークを迎え、来年3月まで続く。