静岡県警の50代男性警視、部下にパワハラ 長期間暴言、本部長訓戒の処分
静岡県警の50代男性警視が2023年度、当時の部下職員に執拗(しつよう)なパワーハラスメント行為をしていたとして、本部長訓戒の措置(処分)を受けていたことが28日、関係者への取材などで分かった。県警監察課が調査を進め、パワハラ行為を認定した。 複数の関係者によると、この警視は元部下に対し、職務執行における運営方針の変更などを巡り、執務室内で長期間にわたって精神的な攻撃に当たる発言を重ねたほか、不必要な書類を作り直させることもしたという。多くの同僚がその行為を目撃していたとされる。 被害を受けた元部下はその後、精神的な不調などを訴え、医師の診断結果も踏まえて長期休暇に入った。現在は復帰している。 この警視は、パワハラ事案を含めた幅広い内部調査を担う監察部門の勤務経験を持つ。現在は復帰した元部下が勤務している部署と同じフロアにある別部署で、所属長を務めている。 監察課は半年ほどにわたり、相当数の職場関係者らに当時の実態や背景を聞き取る調査を続けた。11月ごろまでに最終的な認定や措置を下したとみられるが、措置結果は個人情報の保護などを理由に、被害者側に伝えられていないとみられる。 関係者らによると、県警では8月以降、この警視を含めた複数の警視によるパワハラ行為が認定されている。所属長以上の上級幹部による相次ぐパワハラ認定は、組織の職務執行力や士気の低下につながりかねない事態といえそうだが、いずれも懲戒処分ではなく、基準などに達していないとして報道発表はされていない。
静岡新聞社