「子どものために」だと互いによくないから…元TBSアナ・青木裕子の子育て「最初は気持ちが焦って迷ったけれど」
でも、特別な体験でなくても、親子一緒に楽しめることならいいのかなと思うようになりました。時間とお金を使って遠くに行かなくても、週末に家で一緒に料理をして、心に残るできごとになるなら、それが一番じゃないかなと。「特別なことをしないといけない」と考えていたころは苦しかったのですが、長男の小学校受験のときに、体験は何をするかより、そこでどんなふうに取り組むかのほうが大切だとわかり、心がラクになりました。
── 同感です。ついついまわりと比べて「あそこに行かなきゃ」「これをしなきゃ」と、頑張りすぎるとしんどくなります。 青木さん:何より、私は自分(親)が楽しめることを選ぶようにしました。それと、ムリしすぎないことですね。キャンプと言っても、必ずテントを立てなくていいと思います。グランピングでバーベキューだけでも、ムリしてアウトドアをせずホテルに泊まるのでも。 ── キャンプ以外にもアウトドアに積極的にチャレンジする様子が、著書に描かれていますね。一家で富士登山のきっかけは?
青木さん:小学校受験対策で塾からすすめられて登山に挑戦し、最初は高尾山に登りました。とくに次男が山登りにハマり、少しずつ練習して富士山へ登ることに。私、それまで登山なんてしたことなかったんです。でも、子どもがいるから、初めてチャレンジできて、一緒に楽しむのは私にとってもいい経験になっています。登山は夫も一緒に挑戦しました。 また、うちの子たちは外で体を動かすのが好きなので、家で行う季節行事にはあまり興味がないのかと思っていましたが、毎年、お月見団子作りや柏餅作りも楽しそうにやっています。その時期になると「今年もやるんでしょ」と、兄弟でお団子やお餅を作っていますね。実際に幅広いことに挑戦してみると、これも楽しめるんだ、という発見がありますね。
── 青木さん自身も、ご両親といろいろ経験しながら育ってきたのですか? 青木さん:私自身はアウトドアに熱心ではない家庭で育ったので、子どもが生まれてからは、「私にどんなことができるか」から始まりました。最初はムリをして「自分の中で楽しいかどうかわからないけど、みんなが教育にいいと言うからやろう」と、取り組んだことは何度もありました。でも「あなたのためにやってあげるんだから」の気持ちで臨むと、子どもから思ったような反応が返ってこないとき、疲れがどっと出てしまってお互いにとってよくないと感じました。