60歳で「貯蓄900万円」だと心もとない?老後資金の備え方3選
「老後2000万円問題」が大きく取り上げられたこともあり「貯蓄900万円だと足りないのでは?」とお考えの方もいるのではないでしょうか。 ◆【円グラフ】60歳代の貯蓄平均は2026万円!900万円だと老後たりなくなる? 実際に、老後生活が長くなればなるほど必要となるお金も多くなる「長寿リスク」が深刻化しており、900万円の貯蓄では足りない可能性もあるでしょう。 10月からは郵便料金や食品のさらなる値上げも迫り、思うように貯蓄が進まない家庭も多いと思います。 ただし、毎月の家計収支や老後の収入状況には世帯差があるので、いくらあれば足りるのかを一概に決めることはできません。 今回は、実際に老後を迎えている60歳代の方々の貯蓄状況や、老後の平均的な家計収支について見ていきます。 記事の後半では老後資金を準備するための方法を解説しているので、ぜひ参考にしてください。 ※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
60歳代の貯蓄状況
まずは、金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査(令和5年)」から、60歳代の貯蓄状況を見てみます。 ●60歳代・二人以上世帯 ・金融資産非保有:21.0% ・100万円未満:5.9% ・100~200万円未満:4.5% ・200~300万円未満:4.3% ・300~400万円未満:3.0% ・400~500万円未満:1.9% ・500~700万円未満:7.2% ・700~1000万円未満:6.7% ・1000~1500万円未満:6.8% ・1500~2000万円未満:5.4% ・2000~3000万円未満:9.5% ・3000万円以上:20.5% ・平均値:2026万円 ・中央値:700万円 ●60歳代・単身世帯 ・金融資産非保有:33.3% ・100万円未満:8.5% ・100~200万円未満:4.7% ・200~300万円未満:2.8% ・300~400万円未満:4.3% ・400~500万円未満:2.4% ・500~700万円未満:3.5% ・700~1000万円未満:2.8% ・1000~1500万円未満:6.6% ・1500~2000万円未満:4.5% ・2000~3000万円未満:8.0% ・3000万円以上:15.1% ・平均値:1468万円 ・中央値:210万円 60歳代の二人以上世帯および単身世帯における貯蓄額の平均値は、それぞれ2026万円・1468万円となっています。 ただし、3000万円以上の資産を有する世帯が平均値を押し上げる傾向にあるため、この場合はより実態に近い中央値を参考にするのがよいでしょう。 二人以上世帯および単身世帯の貯蓄中央値は、それぞれ700万円・210万円となっています。 金融資産非保有の世帯も2~3割程度あることから、満足に貯蓄できていない世帯も多いことがうかがえます。 続いて、老後の平均的な生活について見ていきましょう。