この4つを聞くだけで相手との関係値がグッと上がる…仕事のできる人が実践する"ヒアリング項目"
顧客の参謀として信頼される人は何をしているか。らしさラボ代表の伊庭正康さんは「センスのよい提案ができる人は、お客様の『現在地』『ゴール』『シナリオ』『課題』の4つをヒアリングし、営業として『何ができるのか』を考えている。簡単なところでは、『まずは情報を集めて、教えて差し上げよう』でもいい。可能なら、『知り合いを紹介しましょうか』までできれば、かなり喜ばれるはずだ」という――。 【図表】お客様を深く知る4つのポイント ※本稿は、伊庭正康『トップ営業の気くばり「あなたから買いたい」と言われる47の秘訣』(明日香出版社)の一部を再編集したものです。 ■センスのよい提案をするための4カ条 ここからは、関係のレベルをグッと上げる方法を紹介します。 お客様から「参謀」と思ってもらえる方法です(先の記事で解説した「解放の窓」をより素敵な窓にする方法とも言えます)。 たとえ話にはなりますが、リフォームで窓を入れかえる時もそうであるように、営業が「素敵な窓」を提案するには、お客様の嗜好を知らないと、うまくいきません。 「この工務店なら、何も言わずともわかってくれる」と思えるからこそ、よい関係になれるわけです。 そして、これは営業もまったく同じ。 営業がそう思われるためには、やはりお客様のことを知ることが必須というわけです。 でも、正直に言いますね。 最初は、アレもコレも知らなくてもいいんです。 ただ、次のことを知っておくと、センスのよい提案ができるようになります。 ---------- 【知っておきたいお客様の情報】 ①お客様の「現在地(今の状況)」 ②お客様の「ゴール(目指す姿)」 ③お客様の「シナリオ(戦略)」 ④お客様の「課題(不足していること)」 ----------
■聞ける範囲で聞いて、アクションにつなげる 解説しますね。 クリニックへの営業の例で考えてみましょう。 ①お客様の「現在地(今の状況)」 例えば、どんな患者さんが多いのかを知ることも「現在地」に相当します。 患者さんは、クリニックにとって、経営を左右する重要な顧客だからです。 近隣のご高齢の患者さんが多い、などが該当します。 ②お客様の「ゴール(目指す姿)」 「目指す姿」や「目標」などをヒアリングします。 「今後、目指していらっしゃる目標、方向性を伺えればと思っていたのですが……」 など、患者数を増やすのであれば、いつまでにどのくらい増やされるのか、言える範囲でいいので教えてもらいます。 ③お客様の「シナリオ(戦略)」 次は、「そうなるための具体策(シナリオ)」をヒアリングします。 (例) 「具体的には、どのようなシナリオをお考えなのでしょうか?」 「今は高齢者が多いので、若い患者さんの定期健診を増やしたいんだよね」 ④お客様の「課題(不足していること)」 次は「ご不安な点」をヒアリングします。 (例) 「もし、あればですが、懸念されていることは、ございますか?」 「ウチが定期健診をしていることをPRする方法がわからないんだよね……」 まず、できる範囲でよいので、この4つをヒアリングしてみてください。 その上で、営業として、「何ができるのか」を考えるわけです。 簡単なところでは、「まずは情報を集めて、教えて差し上げよう」でもいいでしょう。 可能なら、「知り合いを紹介しましょうか」までできれば、かなり喜ばれるはず。 先の記事で紹介した、欠品が続き切られてしまったMRさんも、これができていれば、そう簡単には切られなかったはずです。 まずは、聞ける範囲でいいので、①~④を聞いてみてください。 意外と、教えてくれることが多いものです。 ■お客様への理解レベルをアップさせる「3Cフレーム」 さらにレベルを上げていきましょう。 よりお客様のことを理解するフレームを紹介します。 「3Cフレーム」です。 3Cとは、3つの要素の頭文字を指します。 会社の事業環境を俯瞰して分析する有名なフレームなので、知っておいて損はないはずです。 ---------- 【3Cフレーム】 ・お客様の「会社(Company)」を知る(先ほどの4つの要素のこと) ・お客様の「お客様(Customer)」を知る ・お客様の「競合企業(Competitor)」を知る ---------- この3つのことを知っておくだけでも、お客様への理解レベルがさらにアップします。 私が講師を務める営業研修でも紹介する基本のフレームです。