この4つを聞くだけで相手との関係値がグッと上がる…仕事のできる人が実践する"ヒアリング項目"
■3Cで整理すると浮かび上がるコンセプトの違い では、どんな効果があるのか、私が求人メディアの営業をしていた時のケースを紹介しますね。 当時の私は「かつ丼チェーン」のお客様を担当していました。 ある時のこと、役員さんがこうおっしゃったのです。 「近くに新しいかつ丼屋ができたんだけど、ウチのマネをしているんだよね。器のデザイン、雰囲気……似てるんだよ。おもしろくないよね。マネされると」 さて、あなたなら、どうしますか。 私は、そのオープンしたばかりのかつ丼の店に食べに行きました。 役員さんへのお土産のネタを探すためです(ジョハリの窓で言うと、「秘密の窓」での会話をするため)。 3Cを知っていると、情報を整理しやすくなります。 実際、お店を観察してみると、あることが見えました。 確かに店の雰囲気や食器は似ていました。 でも、3Cで整理すると、まったく別の商売であることがわかったのです。 役員さんのかつ丼屋は、ビジネス街で働く人がお客様で、「毎日食べても飽きないかつ丼」がウリです。 メニューも30種類ほどあり、今日は「キムチかつ丼」、明日は「おろしかつ丼」といったように、“毎日、通いたくなる店”がコンセプトだったのです。 しかし、新しくできたかつ丼屋の顧客は観光客。メニューも3種類。一見のお客様に「お決まりのかつ丼」を食べてもらう、そんな商売です。 つまり、まったく「別の商売」だったというわけです。 ■参謀になるには、切り口が必要 そこで、すぐに役員さんに連絡をしました。 そして、このように報告しました。 「確かに似ていますが、恐れるに足らずかな……と思いました。 まずターゲットも違いますし、こだわっていらっしゃる点が違います。 我々は、“毎日食べても飽きないかつ丼”がこだわりですが、むこうは、“一見さんで勝負”の商売です。あまり、気にしなくてもよいのでは……」 これがきっかけで、色々な相談をいただくようになりました。 ただ、「あの店、食べてきました」だけでは、参謀にはなれません。 ぜひ、あなたもお客様を「3C」の切り口で考えてみてください。 きっと、お客様の視点で、考えられるようになるはずです。 場合によっては、このケースのようにお客様以上に考えられるはずです。 お客様にヒアリングをするのも手ですし、ホームページでわかる範囲で仮説を立てるのも手です。 この3Cでお客様の状況を整理するだけで、お客様とワンランクアップした会話ができるようになります。 ---------- 伊庭 正康(いば・まさやす) らしさラボ代表 1991年、リクルートグループ入社。営業部長、フロムエーキャリア代表取締役を歴任後、2011年に研修会社らしさラボを設立。YouTubeチャンネルでも営業のノウハウを配信中。近著に『超効率的に結果を出す テレアポ&リモート営業の基本』(日本実業出版社)がある。 ----------
らしさラボ代表 伊庭 正康