『オズの魔法使い』のルビーの靴が驚異の43億円で落札! 映画記念品としては最高額
約20年前に博物館から盗まれた『オズの魔法使い』のルビーの靴が、約43億円という驚異の価格で落札された。長年行方不明だったこの伝説的な靴は、オークション史上最も価値のある映画記念品として注目を集めている。 【動画】実際のオークションの様子。 この靴は、1939年公開の名作映画『オズの魔法使い』でジュディ・ガーランド演じるドロシーが履いたものの一足。特に、ドロシーが「There's no place like home.(やっぱりおうちがいちばん)」と唱えながらかかとを3回鳴らすシーンで登場し、映画ファンにとって象徴的な存在だ。 現存するルビーの靴はわずか4足。この希少性から、今回のオークションを担当した「ヘリテージ・オークション」では当初約4億6,000万円程度と見積もられていたという。しかし、実際には入札が始まると秒単位で金額が跳ね上がり数分で3倍に。最終的な落札額は手数料を含めると、匿名の買い手は約50億2,800万円を支払うことになったという。 その白熱した様子はヘリテージ・オークションが公開した動画で見ることができる。価格が最終的に目を見張るような金額まで上昇する中、15分間に渡って競り合ったそうだ。
10年以上の行方不明を経て…奇跡の発見
実はこのきらびやかな赤い靴には、ある波乱な過去がある。この靴はドロシー女優の生まれ故郷であるミネソタ州グランドラピッズにあるジュディ・ガーランド博物館に展示されてていた。しかし2015年に盗まれてから、10年以上行方不明だったのだ。 この靴が再び姿を現したのは2018年になってからで、FBIがおとり捜査で回収したものだという。オークション会社の副社長ロバート・ウィロンスキー氏によると、この靴には世界中から大きな注目が集まり、関連ウェブページの閲覧数は4万3000回を超えたという。
「私たちは物語を追い続けます」と博物館
今回のオークションには、かつてこの靴を展示していたジュディ・ガーランド博物館も参加。寄付金やミネソタ州議会からの資金提供をもとに、靴を取り戻そうとしていた。しかし惜しくも落札には至らず、その結果をFacebookでこう伝えている。 「残念ながら、ルビーの靴をグランドラピッズに持ち帰ることは叶いませんでしたが、私たちは物語を追い続け、皆さんと分かち合いたいと思います」
文:大村朱里