夫婦で「月収60万円」。高校生の子どもが2人おり、食費が「月10万円」かかります。以前は8万円ほどでしたが、“物価高”だから仕方ないのでしょうか…?
物価上昇のニュースを毎日のように見聞きし、スーパーやコンビニでの買い物のたびに食料品の値上がりを実感する昨今。家族4人で「月約10万円の食費」が高いのか、比較的抑えられているほうなのか、気になる人は多いのではないでしょうか。 本記事では、4人世帯の食費の平均や昨今の物価上昇を踏まえて、4人世帯で月約10万円の食費が高いかどうかについて推察します。 ▼4人家族で食費「月8万円」は高い? 1人当たりの“平均”もあわせて解説
4人世帯の食費は平均約8万6000円。ただし年収によって食費の平均は異なる
総務省の家計調査(2023年)によると、4人世帯の食費の平均は月8万6245円です。この数字だけを見ると、月約10万円の食費は若干高く感じるかもしれません。 そこで、同調査の年収別の食費の平均も見てみましょう。 図表1
総務省 家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 詳細結果表2023年 より筆者作成 同調査は有業者が1人の場合のデータとなっています。今回は夫婦で月収60万円とのことですから、仮に妻は扶養内(年収103万円)のパートで働いていて、妻側の月収は8万5000円とすると、夫は月収51万5000円となります。賞与を考慮せずに年収を計算した場合、夫の年収は618万円となります。 図表1から、夫側の年収だけで考えると、年収600万~650万円の食費の平均は8万8906円、妻の年収(8万5000円×12ヶ月=102万円)も足した場合の年収720万円で考えると、 年収700万~750万円の食費の平均は9万242円となり、いずれも全体平均より高くなっています。 ただ、年収により食費の平均には差があり、例えば、年収300万~350万円世帯の食費の平均は、年収350万~400万円の世帯や、500万~550万円の世帯の平均より高いなど、年収が増えると食費の平均が増えるわけではないようです。
食料品の高騰も家計に影響を与える要因に
次に、食料品の物価高について見てみましょう。同じく総務省の調査によると、物価の上昇や下落を示す消費者物価指数2024年9月分において、食料は前年同月比で3.4%増加しています。内訳を見ると、生鮮果物が10.6%、穀類が10.4%、生鮮野菜が6.8%、肉類が4.1%と、家庭の食卓によく上がる品目で価格の上昇が顕著です。 図表2