「認知症の症状がある親の介護」受け入れてくれる高齢者施設を知りたい【専門家が指南】
親の“これから”を考える際、気になるのが「高齢者施設」という存在。認知症の症状が見られる人へ、おすすめの施設&探す際の秘訣をご紹介! 年老いた親との付き合い方・介護について
【CASE.認知症の症状が見られる】体が元気な人は認知症高齢者グループホーム、医療的ケアや介護が必要なら有料老人ホームを
■身体状況や病気の有無が施設選びのカギに 認知症の人を受け入れてくれるのは、認知症高齢者グループホームのほか、特養や介護医療院、介護付きの有料老人ホームやサ高住、ケアハウス。 「特養は、要介護3以上が対象ですが、認知症の場合は、要介護2以下でも要件を満たせば、入居が認められるケースもあります」(小菅さん) 「グループホームは、家庭的な環境で認知症の進行をゆるやかにすることを目的としているので、少人数のユニットで生活します。バリアフリー化されていない施設もありますし、医療連携が義務づけられていないので、体は元気な人向けの施設といえるでしょう」(岡本さん) 認知症だけど足腰は元気という親の入居先に、認知症の人を受け入れ可能な有料老人ホームやサ高住を選ぶ際は、施設が24時間見守り体制を敷いているかどうかをチェックして。「やはり一番心配なのは徘徊です。入居者が、勝手に外に出てしまい、トラブルになることもあります。異変にすぐ気づけるよう、居室と同じフロアに介護スタッフが常駐しているのがベスト。少なくとも、出入りを感知するセンサーの設置など、セキュリティがしっかりしている施設を選んでください。なお、認知症は進行するので、認知症専門医と連携していたり、知識豊富なスタッフがいると、より安心です」(岡本さん) 小菅さんは、「規模や施設のカラーも踏まえて検討しましょう」と。「9~18名程度と小規模な認知症高齢者グループホームがよいか、もっと大人数の施設のほうがよいか、親に合わせて選択を。なお、認知症高齢者グループホームは、レクリエーションの有無をはじめ、運営者のカラーが反映されがちなので、事前に必ず見学しましょう」(小菅さん) ■教えてくれたのは… シニアの暮らし研究所 岡本弘子さん 長年、高齢者施設の入居相談を行い、講演会や書籍監修など幅広く活躍。シニア住宅相談員の育成にも力を注ぐ。『人生最後に失敗しない! イラストと図解でよくわかる 高齢者施設の選び方』(宝島社)なども監修。 「LIFULL 介護」編集長 小菅秀樹さん 日本最大級の老人ホーム検索サイト「LIFULL 介護(ライフルかいご)」の編集長。テレビ・ラジオで介護施設の解説、講演など活動は多岐にわたる。YouTubeやSNSでも介護情報を積極的に発信している。 取材・原文/村上早苗 イラスト/小笠原晴子 ※エクラ2024年11月号掲載