光る生き物は5億4000万年前から存在していたらしい
系統樹を駆使して判明
生物蛍光がカイムシに由来した時期を解明するために、この研究チームは2022年にQuattrini氏のいるチームが作成したカイムシの進化系統樹を参照。次に、チームは2つのカイムシの化石を系統樹に配置し、系統が分岐した時期を特定。また、現在も生存している生物蛍光のある種を系統樹上にマッピングしました。 共通祖先が生存していた深い時代のおおよその時期を特定するため、祖先状態復元という手法を用いて系統樹を分析しました。その結果、約5億4000万年前、つまりカンブリア紀爆発の直前に共通祖先が存在していたことがわかりました。このカンブリア紀爆発は、爆発的にさまざまな奇妙な生物が出現した時期でした。 研究チームは現時点では、統計的な手法に頼って生物蛍光の起源を推定するしかありません。しかしQuattrini氏は「いつか古代DNAの解析技術が進歩し、本当に古い化石からルシフェラーゼなどのDNAを検出できるようになるかもしれません」と述べています。
岩田リョウコ